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半麦ハット日誌

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20190123~ 半麦ハット@淡路 現場レポート+考察
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寄稿者それぞれ 2/3

寄稿者それぞれ 2/3

前回の投稿からすっかり日が経ってしまいました。。校正、製本作業、出荷を終え一息ついていたところで、16日からのアートブックフェアの参加準備をしておりました。アートブックフェアは本日最終日で、この企画に合わせて「サンプル帳S=1:2」というのも作りました!

さて、今回は、<川村そら、海乃凧、立石遼太郎>(敬称略)を紹介したいと思います。

川村そらさんサラリーマン

どこまでプロフィールを書いて良

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寄稿者それぞれ 1/3

寄稿者それぞれ 1/3

予約販売から、2週間がすぎました。毎日届く通知に、喜びと緊張を感じています。今週で、著者校正が終わり、徐々に最終レイアウトに向かっています。

<木村俊介、白須寛規、田野宏昌、大村高広>(敬称略)を紹介したいと思います。本の内容というよりは、簡単なプロフィールをば。

木村俊介さん木村俊介(きむら・しゅんすけ)
建築家https://www.sskkmr.com
2012年多摩美術大学大学院修了

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1の建物から12のテキスト

1の建物から12のテキスト

今日は半年前くらいに書いた「はじめに」の文章を少し書き換える作業をしています。一度書いたことは、読み返すたびに恥ずかしくなって書き換えたくなるものですね。文章を書くことは本当に大変だなあ。でも毎回学びがあるから嫌いではないな。

今回は、この本のメインである「寄稿」について書き始めようと思います。
12人の人から文章をいただいたわけですが、一気に紹介するのも勿体無いので少しずつやっていきます。

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対談というかたち

対談というかたち

販売から4日目、販売予定部数の1/4の予約が入ってちょっと安心しています。。(初版を増やす。。。?兆し。。。?)
https://ruiitasaka.theshop.jp/items/33227106

今日は、本を作るために収録した協働設計者である西澤徹夫さんとの対談について書こうかな、と思ってます。

先生でもボスでもなくこの協働にあたっては、質問を多くもらうのですが、半麦ハットにとって西澤

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本のデザインから

本のデザインから

昨日書影が公開され、予約販売が開始されました。https://ruiitasaka.theshop.jp/items/33227106

続々と予約が入っており、それだけでモチベーション上がっているのですが、何より半分くらいの方が知り合いでないということに驚いています。こないだ書影を撮った時に、tanukiさん出原さんと話したことでもありますが、本は自分が思いもしなかった人のところにたどり着くの

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191106

文章を書いている、路頭に迷っている
墓穴を掘って掘って、ブラジルで生まれたいと言っていたように、
もうすぐ生まれそうな予感がしている。
でも、まだ生まれてないので、
生まれる先が北極で凍死してしまうかもしれないのだけど。

建築の言葉で探していても全くラチがあかないので、
好きなシンガーソングライターで、
最近ユニットとしてのアルバムを発表した折坂悠太さんのインタビューを読んだ。

引用をいくつか

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墓穴を掘る

半麦ハットができて二ヶ月が経とうとしている。
じわじわと反響があり、実感を伴い初めて胸が熱くなったりすることもある。

でも正直には、
自分で自分の墓穴を掘っているかもしれないと思っている。。。

抽象化しない・ルールを作らない・言語化しない・・・などと
心に決めて設計を進めていたことによって、
本当に言葉が与えられない建築になってしまった。

実際は与えられるのだと思うけれど、既存の言葉が見当た

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190918

今日でしばらく淡路を離れる。
東京へやっと帰れる!と共に、
とっと寂しさがある

でも、建築の真価はこれからだし、
わたしはただ建物を設計し終わっただけなので、
スカッとするほど泣くことができるわけもなく、

どちらかというと笑顔でいることの方が大切な気がしている。

ただ、設計、そして施工期間は、とても忘れがたく(忘れたあかん)、
そこにわたしの思想が織り込まれていたので、
その時間から離れるこ

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190908

晴天 一粒万倍日

いつの間にか竣工(外構はまだ)し、引き渡しを終え、店がオープン初日を迎えた。(そこまで3日)

とてもめでたいことなのだけれど、設計者としてから生活者としての転換があまりにもグラーデショナルというかいきなりだったので、感動する暇もない。

と言っても、やっぱり心にくるものはあって、
引き渡し前日にいつも通り棟梁にバス停まで送ってもらう車の中、ついこれからの不安とか感謝とか伝えて

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190831

現場ではないけれど考えていること

知っているつもりのものを、
わからなくするための制作かと思ったり。

この街らしさはなんですか?
〇〇です。

そうかもしれない、けれど、あそこのあれは?
こっちのこれは?
ここのこんな感じは?

らしさを言葉にしてしまうと、
そのくくりから外れたものは、この街のものではなくなってしまうのか。

そうではないけれど、そう思ってしまう傾向がある。

これが正しけれ

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190807

晴れ

梅雨が明けてから雨が全然降らない
日差しが強くて暑いけど、海からの風でなんとか立ってられるという感じ。

タイル施工は2日で終わった。
板金屋さんを抜いて、最短記録更新

とても寡黙なタイル屋さんだったけれど、
質問をしたりすると、答えプラスアルファで返してくれる優しい人だった。

なんせ昨日は初対面にもかかわらず、
大工さんは昼寝をしたり用事をしていたので、
昼休みを2人で過ごした。

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190802

快晴

今日はテラゾタイルの柄の配列を施主と一緒に考えるために現場へ向かった。

塗装屋さんが外部の庇を、電気屋さんがコンセント穴を、
大工さんが浴室の下地を、管理者さんがタイルの準備をしてくれていた。

昨日、この建築を誰かに説明するとしたら、という設定で文章を書き始めていた。
そうしたら、どうして淡路の街について考えているのかを思い出すことになり、書いているうちに新たなきっかけが生まれた。

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190729

快晴

母(施主)と現場へ行く。

システムキッチンが導入されていたり、いよいよ浴室の配管や木工事が始まり家としてのスケール感を帯びはじめていた。

そして、どことなく、明らかにせかせかと慌ただしい空気が流れていた。

どんどん決まる。どんどん聞かれる。どんどん進む。
後戻りはいつだって許されない、ドキドキする。

あとひと月。
今まで終わりまでを体験したことがないから、あとひと月という時間がどの

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190724

快晴

詳細について決めかねていたことや、色の確認のために西澤さんに現場に来てもらった。

ずっと色のことを考えていた日だった。

その晩、西澤さんのインスタで、
色にもスケールがある
と書いてあったように、本当にその通りだ。

あそこが黄色だからここも黄色。
と簡単に言ってしまうけれど、
その真相はもう少し奥にあって、

あそこが黄色、ここが黄色であれば、あそことここが結ばれて、あるイメージがで

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