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春到大倉集古館!シノワズリ炸裂。

一度行ってみたいと思っていた大倉集古館。私はあまり用事のない、溜池山王~虎ノ門エリアにあります。

新春を寿き、春を待つ 
雨でぬれてます。

ホテルオークラと同じ敷地内ですね。
大倉喜八郎が大正時代に設立した、日本最古の市立美術館。

天気の悪い休日の会館直後、すいているであろうところを狙います。

とにかく建物が素晴らしい。入口とか外観とかしか写真は撮れませんが、中の柱やレリーフも意匠を凝らしています。伊東忠太博士という人の設計です。平安神宮とか湯島聖堂もこの人の設計です。


入口のに阿吽の像。

この赤、紅柄(弁柄)でしょうか。シノワズリテイスト。


入ってすぐに赤褐色の北魏の如来立像がありました。
一般的なふくよかな感じでなく、なんかすっきりとしている。
顔の輪郭は飛鳥大仏くらい肉がない。
展示はB1~2F。
2Fからいこうと思います。まず目を引いたのがみみずくちゃん。小林古径の作品。

フライヤーより。
完全にぼんやりしてしまいますが・・・
小林古径「木兎」

そして今回のフライヤーにある横山大観「夜桜」。大倉喜八郎は横山大観や河合玉堂に資金援助をしており、この作品もローマの美術展に出品する際にサポートしたそうです。
横山大観は東京の上野公園に写生に行ったとのことですが、星がなく満月だけの夜空の感じといい、現実感<創造性 といった印象です。

フライヤーより。
これは絵の一部。本物は大きいです。

2Fにはテラス。いい!!
でも目の前はホテルオークラの近代高層建築。私はこの大倉集古館のテラスからこの大倉集古館の建物を眺めたいんですが。

台北の圓山大飯店のようですよ、この感じ。
奥に誰か鎮座。
 テラスの奥に鎮座するは、若き達磨さん。
清時代のものというのがいい。


私は、ツングースとか騎馬民族とかとかに魂がざわめくのです。きっと北方まわりで日本に入ってきたツングース系騎馬民族の末裔なのでしょう。
階段で1Fへ。選べるならエレベーターではなくて階段利用を推奨。にやけたかんじの狛犬がいっぱいいるのです。

そして1階。
中国官吏の大蛇の長衣ですが、おそらく京劇用とのことです。しかしサイズがものすごい大きい。中になにか詰めて着るの?男性のサイズ感はよくわからないですが、これXL以上では?(この隣に 男靠 という衣装もあったのですが、それもサイズが大きい。)そしてこの長衣の龍の爪が4爪なんですよ。

フライヤーより。蟒袍mangpao
大蛇の長衣!

そのならびに紫繻子地雲龍模様刺裂龍5爪!!
八旗(ジャクン グサ)の正紅旗の可能性もあるようです。どうやって手に入れたのでしょうか。そこが気になる。

1Fにはほかにも龍を描いた作品がありましたが、3爪です。ふつうは龍は3爪です。


※龍の爪の本数はけっこう重要です。本数が多いほうが地位が高く5本は皇帝級。4本は地方の長とか高級官僚とか支配階層。3が一般的。

※八旗というのは清時代の軍事集団。「旗グサ」は「師団」かつ「共同体」の単位。八旗の旗の龍は5爪だったりする。現在チャイナドレスとか言ってるものも、そもそもは袍という満州民族の衣服が原型であり、スリット入ってるのは騎乗のためというのが有力説の一つ。(明朝漢民族のほうが先だという説もあります)


このフロアにはフライヤーにあった扇の絵も。

フライヤーより
宗達派の扇面流図屏風

新古今和歌集や源氏物語のを題材にした絵がちりばめられています。大きな作品です。

わたしは他には
加納探幽文殊菩薩・雲龍・竹虎図
とかがよかったです。文殊菩薩が少年なのです。


この犬、階段にいっぱいいる。でも獅子かもしれない。

地下の階段前にボス狛犬みたいなのがいますが、
六朝時代の「獅子」。それははっきりと撮影不可。他のは撮影いいのかな?

地下はミュージアムショップがありますが、

天后聖母立像
韋駄天立像
畏怖金剛像

の展示もあって、どれもとても良いです。写真は不可。韋駄天はしっかり靴も履いていました。しかし、短距離走者の体つきやな。パンプアップされてる。そして厚底気味の靴なのが気になりました。

文人石

建物の前後に龍やら亀やら石像が配置されていて、これもとても気に入りました。私は石像とか摩崖仏が好きです。きっと巨石信仰の民族の末裔なのでしょう。

高層ビルに囲まれる中、この威容。
この、紅。青緑。

春らしいものを見るよりも、いわゆる中国趣味的なところへの自身の強いこだわりを再確認する時間でした・・・いや中華人民共和国って1949年、中華民国は1912年にできたばかりの国なので、中国という言い方は正確さを欠きます。正しく言うと私の場合は唐とか宋とか清とかへの憧憬です。ここをきっちり区別したくなるあたりが、強いこだわりですね。




🦌🦌
ちなみに京劇といえば、思い出すのはこの映画‥ストーリーともかく張國榮。なにこの雰囲気。

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