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ギフテッド児の中学受験など育児ほか家族のいろいろ。あるいは王様の耳はロバの耳で床屋が掘…

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ギフテッド児の中学受験など育児ほか家族のいろいろ。あるいは王様の耳はロバの耳で床屋が掘った穴。

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ギフテッドの中学受験⑥積極的不登校という選択

イェール大学助教授で最近時の人になりつつある成田悠介さんが、元文部科学大臣の柴山さん、元2ちゃんねる管理人のひろゆきさんが、才能ある子どもへの公教育のあり方を論じる番組が、Youtubeのテレ東大学というチャンネルで放送されていた。 https://youtu.be/ks_0cSIhtuU ギフテッドとは名言こそしないものの実質的にギフテッド児を念頭においた内容だったので紹介したい。 世界中で才能ある子どもをいかに伸ばしていくか競っている中で、なんで日本は未だに20世紀

    • ギフテッドの中学受験⑤ギフテッドであることを塾に伝えるべきか

      ギフテッドの長男は、単純な反復作業が苦手だ。学校のドリルなどは基本的にまっさら。夏休みの宿題の漢字書き取りは、タブレットで筆跡がわかりにくいことを良いことにほとんど親がやった。一事が万事そんな感じなので、長男にはできるだけ反復作業がなさそうな、創造性や自主性に力を入れた中学校に進んでほしいと思っている。しかしそうした自主性に富んだ中学校ほど上位校である傾向が強い。 そこで長男を塾に通わせたのだが、問題になるのが塾の宿題だ。漢字書き取り、プリント解き直し、ノート複写などなど反

      • ギフテッドと非ギフテッドの兄弟

        兄弟の中にギフテッド児がいると、子どもの知的発達に関する親の基準が無意識のうちに引き上がってしまう。結果として非ギフテッドの兄弟には辛口の評価を下しがちとなり、ともすればその可能性を摘んでしまうかもしれない。 ギフテッドの長男には、歳が4つ離れた弟がいる。知能検査を受けさせたことはないけれど、多分ギフテッドではない。とはいえ年相応の知的発達を見せていて、学校の授業にもしっかり対応できている。それなのに親の実感は大きく異なる。 3歳の頃には長男は一人で絵本を読めたのだから次

        • ギフテッドの中学受験④中学受験か高校受験か

          ギフテッド児が本質的に向いていない反復学習を強いられてまで中学受験をするメリットはなんだろう?精神的な成熟を待って高校受験に集中させた方が良いのだろうか? 世は空前の中学受験ブームだ。急速に減っていく人口、低迷する日本経済、勝ち組と負け組がはっきりする社会。わが子の将来に想いを馳せるほど、少しでも良い学校へ入れたいという気持ちは痛いほど解る。一方で過酷な中学受験は幼さの残る子どもにとって劇薬だ。親と塾からのプレッシャー、長時間の勉強、不合格になった時の精神的ショック。中学受

        ギフテッドの中学受験⑥積極的不登校という選択

        • ギフテッドの中学受験⑤ギフテッドであることを塾に伝えるべきか

        • ギフテッドと非ギフテッドの兄弟

        • ギフテッドの中学受験④中学受験か高校受験か

          ギフテッドの中学受験③塾での学び方

          体験授業ではポジティブな反応を見せた長男だったが、いざ塾のカリキュラムが始まるとその大変さは想像以上だった。 長男が持つギフテッド的特性の一つとして反復作業をとても苦手にしている。スポーツや絵のように上達が実感できる反復練習はまだしも、漢字の書き取りや問題の解き直しには全くモチベーションが湧かない。一回やればわかるのに意味がない。小学校の漢字ドリルは大嫌いだった。 しかも選んだ塾は面倒見の良さの裏返しで熱血指導に定評があり、宿題の量も半端ではなかった。夜に塾が終わったかと

          ギフテッドの中学受験③塾での学び方

          ギフテッドの中学受験②志望校選び

          ギフテッド児がその知的特性を存分に発揮できる学校とはどんな学校だろう?アメリカとは違ってギフテッド教育に特化した教育機関がない日本で、どんな学校を選んだら長男は幸せになるのか。はっきりした答えはない。だから公立小学校での様々な軋轢やストレスの経験を、中学校選びのヒントにすることにした。 小学校で長男の息苦しさの原因となっている要因は明白だ。調和と協調性を重んじる教育方針、自分のルールを押し付け生徒を管理しようとする教師。その対極にある学校を選べば、少なくとも長男が現在直面し

          ギフテッドの中学受験②志望校選び

          ギフテッドの中学受験①塾選び

          ギフテッドの長男が中学受験の塾に通い始めたのは小学3年生の冬だった。この時はまだギフテッドの診断を受けていなかったが、公立小学校の授業が退屈で仕方なかったこと、4年生から学童保育がなくなることから、学童代わりにもなって長男の知的好奇心も満たせるなら一石二鳥と塾通いを検討し始めた。 塾選びにあたっては次のポイントを考慮した。 1.面倒見が良く親の負担が少ない事 わが家はフルタイムの共働きで、帰宅後は次男と長女の面倒をみたり家事をしたりととにかく忙しいため、親が宿題のサポー

          ギフテッドの中学受験①塾選び

          ギフテッド児の親である難しさ

          ギフテッドの長男のことで頭を悩ませているのは、私たち両親がギフテッドではないから?親もギフテッドならギフテッド児の育児はもっと楽なのか?ギフテッド児との関わりの中で生じるストレスに頭が真っ白になると、ついこんなことを考えてしまう。 ギフテッドについて書籍や文献などを調べ、頭では理解したつもりでも、ギフテッド児との日々のやりとりの中で感じる違和感や苛立ちは少なくない。 これが彼の特性だから、苦手分野を叱るんじゃなくて長所を伸ばさないと、前向きな言葉でうまく促して、、、、わか

          ギフテッド児の親である難しさ

          ギフテッド児が生きづらい社会で

          「幼少期にちょっと頭が良いだけで協調性がない奴をギフテッドって言うのやめたら?そのうち勉強でも追いつかれて社会性がないただの大人になるんだから。」 こんなコメントを見るたび、ギフテッド児を間近で見ると普通の子とは全然違うんだよ、と言いたくなる。クラスメイトとも兄弟ともまるで違う特性。日常生活ではとにかく手がかかるし、一度感情に火がつくとしばらく収まらない。こだわりが強く、繊細で、不器用。それがしばしば周囲の人を不快にさせ、衝突を招いてしまう。 一方で、強いこだわりが勉強面

          ギフテッド児が生きづらい社会で

          長男はギフテッド⑥

          担任との関係性の悪化は長男の行動に顕著に現れた。 授業中に勝手に廊下へ出る。机の周りにもちもタブレットPCでゲームをする。音楽室に移動しない。体操着を脱がない。テストを白紙で出す。クラスメイトの足を引っ掛けて転ばせる。 毎日のように受ける担任からの報告に、最初は平身低頭に対応した。新しい担任との関係構築を親が壊してはいけないと思ったからだ。しかしそんな努力は無意味だと気付くのに時間はかからなかった。 一度学校に来ていただけますか?と担任は言った。電話ばかりで一度も会った

          長男はギフテッド⑥

          長男はギフテッド⑤

          カウンセリングを受け始めたことで良い方向に向かうのではとの期待は、しかし4年生に上がってすぐ打ち砕かれた。原因は新しい担任の先生との衝突。 クラス分けが発表された時点で嫌な予感はあった。好き嫌いが激しい、贔屓をする、生徒に冷たいなど良くない噂が絶えない中年の女性教員だった。どう考えても長男と相性がいいとは思えなかった。 3年生までの担任は明るい性格の若い先生で、うちの長男にも真っ直ぐ向き合ってくれていた。長男が問題行動を起こすたびにしっかり話しあい寄り添ってくれる良い先生

          長男はギフテッド⑤

          長男はギフテッド④

          長男は毎週一コマ授業を抜けて、スクールカウンセラーとの面談をすることになった。もともと授業に集中できていなかったので、学業面の影響については心配はなかった。一方で、授業を抜けてカウンセリングを受けているという事について、クラスメイトからからかわれたりしないといいなと思っていた。ただ、クラスには他にも授業中に抜け出したり、タブレットでゲームしてたりと、いわゆる問題児がいるとのことだったので、あまり悪目立ちしなそうな点は変に有難かった。 カウンセリングの時間は、近況報告や雑談を

          長男はギフテッド④

          長男はギフテッド③

          3年生の終わりになっても協調性がなく、問題行動が続く長男。みかねた担任は、スクールカウンセラーと面談してみたらと言った。中立的な立場の大人と話すことで長男も少しは落ち着くのではないかと。 カウンセリングって発達障害とか学習についていけない子が対象なのでは?と躊躇う気持ちもあった。ただ、信頼している先生からの提案だったので、長男とも話し合って一度カウンセリングを受けてみることにした。 この頃になると年齢と共に精神的に落ち着いてくるんじゃないかとの淡い期待が萎んでいたというの

          長男はギフテッド③

          長男はギフテッド②

          そもそもWISCや問診の結果を聞くまで、長男がギフテッドだなんてこれっぽっちも思ってもいなかった。 なぜなら、うちの長男の育て難さときたら、ギフテッドという言葉から連想するキラキラした何かとは、似ても似つかないからだ。 なんの苦もなく米国の一流大学で博士号取って、親がビジネス紙に子育て論を語るような、そんな別世界の話と思っていた。ギフテッドってネーミングしたやつ出てこい。 こうしたステレオタイプなギフテッドのイメージはだいぶ間違っているのだけど、当時は知る由もなかった。

          長男はギフテッド②

          長男はギフテッド

          Noteに書いたら少しは頭が整理されて、感情をストレートにぶつけなくて済むんじゃない?という妻の提案で、誰に向けてというわけではなく、ストレスの捌け口的な役割を期待して書いていく。「王様の耳はロバの耳!!」というやつだ。まあお話の結末だと秘密は町中に広まってしまうのだけれど。 どうやら長男はギフテッドというやつらしい。スクールカウンセラーの勧めでWISCという知能検査をやったり、医科大学での検査や問診なんかも受けた結果、彼には義務教育の枠にははまらない心理的特性があることが

          長男はギフテッド