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長男はギフテッド④

長男は毎週一コマ授業を抜けて、スクールカウンセラーとの面談をすることになった。もともと授業に集中できていなかったので、学業面の影響については心配はなかった。一方で、授業を抜けてカウンセリングを受けているという事について、クラスメイトからからかわれたりしないといいなと思っていた。ただ、クラスには他にも授業中に抜け出したり、タブレットでゲームしてたりと、いわゆる問題児がいるとのことだったので、あまり悪目立ちしなそうな点は変に有難かった。

カウンセリングの時間は、近況報告や雑談をしたり、ボードゲームをしたりと気ままに過ごしているようだった。カウンセリングってもっと深層心理とか感情を試されるようなイメージだったのでちょっと拍子抜けした。それでも長男にとっては、クラスメイトとはできない科学や雑学などの話し相手ができて嬉しそうだった。両親と衝突した時やクラスメイトとトラブルになった後などは、その時はうまく言えなかった気持ちを素直に話したりもしていたようだ。

カウンセリングの一環でWISCという知能検査を受けたのはしばらくしてのことだ。いわゆるIQテストだ。詳細は控えるが、上位5%内に相当するIQとの推定結果が示され、カウンセラーからは長男はギフテッドと呼ばれる特性を持つ可能性が高いと言われた。協調性に劣り問題行動が多い長男の特性に、初めて具体的な名前が与えられた瞬間だった。

カウンセラーからは月一くらいで報告を受けるようになった。両親と繋がっているとわかると、カウンセラーへの信頼が損なわれるとのことで、長男には内緒にした。うっかり口を滑らせそうになるのを堪えながら、今日はどんな話をしたの?と帰宅した長男に尋ねるようにしていた。

長男はすっかりカウンセラーに心を許しており、毎週のカウンセリングに欠かさず行っていた。クラスでの問題行動は相変わらず続いていたが、心の拠り所が増えることでいい方向に変わってくれるのではないかと期待し始めた。

しかし4年生になって担任が変わると状況はひどく悪化した。

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