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ギフテッドの中学受験⑤ギフテッドであることを塾に伝えるべきか

ギフテッドの長男は、単純な反復作業が苦手だ。学校のドリルなどは基本的にまっさら。夏休みの宿題の漢字書き取りは、タブレットで筆跡がわかりにくいことを良いことにほとんど親がやった。一事が万事そんな感じなので、長男にはできるだけ反復作業がなさそうな、創造性や自主性に力を入れた中学校に進んでほしいと思っている。しかしそうした自主性に富んだ中学校ほど上位校である傾向が強い。

そこで長男を塾に通わせたのだが、問題になるのが塾の宿題だ。漢字書き取り、プリント解き直し、ノート複写などなど反復作業のオンパレード。反復作業から逃れるためには反復作業をしないといけないという現実。

テストの成績は悪くないのだから、宿題を減らしてもらえないか?塾の先生に相談してみようかと思った。そこで悩ましいのが、長男がギフテッドであることを伝えるかどうか。ギフテッド的特性を説明すれば、反復作業の宿題を減らしてもらえるかわりに、長男の特性にあった勉強方法を考えてもらえるかもしれない。そんな風に考えると、ギフテッドであることを伝えてみるのも悪くないように思えた。

ただ実際には、塾の先生に長男がギフティッド児であることを伝えるのは辞めようということになった。学校の先生ですらギフテッドに関する理解が殆どないのに、塾の先生が適切な理解と対応をしてくれると期待するのは難しいだろうと判断したことがひとつ。それと、ギフテッドという言葉が一人歩きして塾の中での長男の立場を悪くしてしまうのではないかと考えたこともある。テストで悪い成績を取ったらギフテッドのくせに、と陰口を叩かれたりするかもしれない。学校の授業が苦痛で仕方ない長男のことを考えると、知的刺激を得られる塾での時間を損なうリスクは侵せなかった。

そんな訳で、今日も長男は山ほどある漢字の書き取りとプリントの解き直しに奮闘している。時には涙を浮かべ、時には雄叫びをあげることもあるけれど、2年後に自由で快適な中学校生活を送ることを夢見て頑張っている。

ギフテッド児に関する社会の理解がもっと深まり、たとえばギフテッドの特性に応じた学校や受験方法ができたならどんなに良いだろうか。でも残念ながら長男は現在の教育システムのなかで、少しでも伸び伸びと生きやすい環境を得るための努力をするしかない。中学受験の苦労の先に長男が進学する中学校が、ギフテッドがストレス無く能力を遺憾なく発揮できる場所であることを、今はだた願っている。

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