【超短編小説】 再生
あの日上がった火花は一瞬で私の胸を貫き
一夜にして私の体の隅々までを赤く染めた
いったい私はどうなるのだろう
ここからどこへゆくのだろう
半径3メートルの不安をよそに 私は生きていた
浮世離れした天に近いこの場所で
ひとり静かに
巡る想い 巡る血潮
心臓はトクトクと音を立てて規則正しく動いている
明日も変わらない一日に 私が存在するだろう
このことがどれほどの意味を成しているのか
幼い私には想像もつかなかっただろう
閉ざされた空間でかつてないほど強さに満ち溢れていた私は
この世界に戻ってきたとたん姿を消した
なんのためにあの場所へ行ったのか
なんのためにアナタと出会ったのか
今もまだほのかに赤く染まった体を見れば思い出すだろう
巡る想い 巡る血潮
私よ、もう一度思い出せ
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