【読書ノート】『マドンナ』(『常設展示室』)
『マドンナ』(『常設展示室』)
原田マハ著
あおいは、画廊に勤めている。
世界じゆうをまたにかけて、美術見本市に日本人アーティストの作品を売り込むような仕事をしている。あおいの母親は、85歳で、都内の高齢者向け住宅に一人で住んでいる。母親は、長い間クリニックで、事務のパートをしていたのだけど、どういうわけか、ラファエロの「大公の聖母」の切り抜きを気に入っていた。
あおいが、ちょうどフィレンツェに出張に来た時、母親が転んで、手術を受けることを知って、動揺する。そんな時、ふと立ち寄った美術館で、ラファエロの大公の聖母の絵画が目に留まり、母親との約束を思い出す、という話。
主題は何か?
母親の一方的な愛情、そして、母親の強さということになろう。
いくつになっても、母親は、偉大だと思う。私の母親も今年で82歳。一人で淡々と暮らしている。
恩返しらしいことは何一つできていないのだけどね。
なかなか、痛いところを突かれる物語だと思った。