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【読書ノート】『モグラハウスの扉』(『父と私の桜尾通り商店街』より)



『モグラハウスの扉』(『父と私の桜尾通り商店街』より)
今村夏子千代

学童のみつこ先生が、工事現場のモグラに恋をする物語。

モグラ
しばしば地下で暮らすことから、努力や地道な作業の象徴と見なされる。哲学的な意味では、モグラは忍耐やコツコツとした努力が成功につながるという教訓を象徴する。

工事現場
変化や進歩の象徴。工事現場は常に進化し、改善されるプロセスを通じて、人間の努力や創造力が物事を変えていく過程を表現する。

弁当
日常生活と物事の調和を象徴する。限られた空間に多様な要素をバランス良く配置することで、生活全体の調和や均衡を示唆する。手間暇かけて作り上げた弁当には、愛情や丁寧さが込められ、日常の小さな瞬間においても意味が生まれる。

地下空間
隠れた、未知の領域を指し、深層心理や潜在意識の象徴とされる。それは隠れた真実や内面にアクセスする試みと結びつき、冒険や発見の旅になぞらえられる。同時に、地下は安全や保護の象徴とも解釈され、外部の喧騒からの避難や自己探求の場として捉えられる。

物語の主題は何か?
人生というのは、努力、変化、調和、そして内面への探求を続けることだということ。

地下空間という設計図に基づいて工事をして、整えていくという過程が、生きる意味だということ。
一人の人生で、完了するものでもなく、個々の人間は自分に与えられた作業をそれぞれに、全うすることが、もとめられているわけで、そこに完成はない。と理解した。

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