『△が降る街』(短編集『△が降る街』より、同名タイトルの一編)
『△が降る街』(短編集『△が降る街』より、同名タイトルの一編)
村崎 羯諦著
"△が、降る"という珍しい街に住む3人の男女が繰り広げる恋愛物語。
登場人物は、俊介、麻里奈、そして主人公「私」(美樹)
キーワードを挙げておく、
「三角形」とは?
プラトンは三角形を物質世界の基本的な構成要素とみなしました。彼の哲学では、四元素(火、空気、水、土)は異なるタイプの三角形から構成されるとされました。これは彼の「形態論」の一部で、理想的な形状が物理的な世界を形成するという考え方を示している。
「三角形が降る」とは?
安定した状態に、混乱、変化、または非日常的なことが起こること。
そんな時は、この街では、公共交通機関が、止まってしまったり、人恋しくなったりする。
三角形を構成する3人。通常、三角関係と呼んだりする。数学的にも、物理学的にも、経済学的にも、また、哲学的にも、三角形というものは、本来、最も安定した形なのだ。それでも、人間社会では、三角形は、案外変形しやすかったりする。
3つの頂点が、等距離にあるときは、よいのだ。三権分立が成り立つ。何かのきっかけで、頂点が、伸びたり、縮んだりする。
そうすると、△が、降ってくるのだ。
それでも、頂点同士お互いの手を離さない限り、三角形は、踏みとどまったりする。
それが、△が、降る街の世界の日常なのだという、案外可愛らしくも、切なさも感じられる物語で、意外と心地よい話だと思った。
高校生くらいの時には、「△が、降ってきていた」こともあったなあと思い出した。私の経験上は、正三角形でい続けることは、むずかしいと思う。そういう意味では、三角形は、案外脆いのではないか?構造力学的には、三角形は、最も安定した形の一つなのだけどね。
宇多田ヒカル ともだち
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