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私へ。階段は一段ずつ上ろうね。

今回は、前回の記事でさらっと触れた井上祐紀先生(精神科医)の『学校では教えてくれない自分を休ませる方法』という本を読んだ感想をまとめようと思います。


この本は私のために書かれた本かな?と思うほど学ぶことが多かったです。図書館で借りて読みましたが、いつでも読み返せるようにしたかったのもあり、返却する前には既にネットで注文していました。

表紙は学生向けといった感じですが、内容は大人でも十分満足できると思います。「学校」というキーワードを「会社」に変えることで、休職・復職・転職などで悩まれている方の参考にもなるかもしれません。



読み始めてすぐ、第一章の冒頭から考えを改めることになりました。ここでは「休む」のイメージについて書かれており、例として挙げられている

・なまける
・サボる
・するべきことができていない
・やるべきことから逃げている
・努力やがまんが足りない
p.11より

というネガティブなイメージすべてが、私の"休んでいることに対しての気持ち"と一致していました。

これまでのカウンセリングで、休学しているのに本当の意味で休めていないということはなんとなく理解していましたが、イメージ例を見たとたん、"なるほど、こういうことか……"と、ピースがカチッとはまったような感覚がしました。

私の場合は特に「やるべきことから逃げている」という気持ちが強いのかなと思います。カウンセリングを受け始めてすぐ、"~べき"という思考が強いと指摘されていましたし……。

まず上記の「休むことへのネガティブなイメージ」を払拭して、きちんと心身を休ませられるようになりたいところです。



そして一番ためになったのが、「段階別・目標(やりたいこと)の設定のしかた ※『学校に戻る』ことをゴールとした場合」というイメージ図です。

ここでは階段のイラストがあり、例として一番下の階が「安全や健康をおびやかすものから離れて過ごす」、一番上の階(ゴール)が「登校できる日が増える」とされています。

最上階に到達するために必要な階段を設定し、一段ずつ確実に、自分のペースで上っていきます。


物は試しに、このイラストと今の自分を照らし合わせてみました。するとなんと、今の私は下段にいるにも関わらず、何段も飛ばして最上階を目指していることが分かりました……。どんなに頑張っても一気に最上階に行くなんて無理です。階段は一段ずつ上るものですから。

しかも私が最上階に設定している目標(通信制大学への編入)は、本当に自分がやりたいことかというとYesとは言い切れないことにも気づきました。世間体を気にしていたり、中退じゃなく編入することで学歴にこだわる祖父母の重圧から逃れるためだったり、いわば誰かの目標なのかもしれません……。

これに気づいたとき、自分が本当にやりたいことって何だ……何が正しいゴールなんだ……と少し迷子になってしまいました。

しかし階段のイラストを眺めていると、"最上階を決めるのは今すぐじゃなくていい。むしろ今一人で決めるべきじゃない。今すべきことはちゃんと休んで、次の階段に上がる準備をすること。"とすぐに軌道修正でき、迷子になってしまった感情は、カウンセリング(前回)に持っていくことができました。これだけでも私にとっては大きな進歩です。


この階段のイラストは思った以上に私に影響を与えたらしく、何か行動しようとすると頭にぱっとイラストが浮かぶようになりました。また、何もできなかった日の夜、"今日も生産性がなかった"なんて考えているときも、イラストがぱっと浮かんでくれるおかげで気持ちを切り替えることができています。これは本当にありがたいです。


余談ですが、不登校だった中学生時代の私は、この目標の階段を無意識に設定し、確実に一段ずつ上って社会復帰していたことに気づきました。"昔の自分ができたなら、今の自分にできないはずがない。時間はかかるかもしれないけどまた一からやってみよう。"と少し希望がみえました。



他にもいくつも気づき・学びがあったんですが、一つ一つ挙げていたらキリがないので、どうしても書きたいことだけ書かせていただきました。

なんとなく立ち寄った図書館で目に入った一冊。きっと今の私に必要だったんだろうと思います。


人それぞれ悩みが違えばその解決法も違います。しかし、目標の階段は多かれ少なかれ助けになるのではと思うので、ぜひ取り入れてみてほしいです。また、本自体が気になった方はぜひ実際に手に取ってみてください。


伝わりづらい部分が多々あるとは思いますが、少しでも読んでくださった方の参考になれば嬉しいです。


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