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文章の雨で、ことばが整列する

「無理に寝ようとしない方が、案外すぐに眠れるものだよ。」眠れない夜は、本を読むことがすっかり習慣になりました。

寝付きの悪さは一向に治らなかったけれど、本を読んでいると不思議と、波打つ気持ちが落ち着いてくることがある。それは確かなことです。

でも、それはなぜだろう。



以前、寝る前に本読んだら余計目が覚めちゃわない?と聞かれたことがあります。

私は、その質問の意味がわからず、きっとこの人は、私とは違う文章の接し方をしてきたんだろうな、と結論付けてしまいました。けれども、最近になって、確かに文章を読むときって、ただ読むだけでなく、いろんなことを考えたり、思い出しながら読んでるから、それってすごい頭使ってる、つまり目が覚めるのでは?と思い、あの質問の動機がわかったのです。



そこで、私はたっぷりある夜の時間を使って、なぜ、私は寝る前に本を読むのか?という問いについて考えてみることにしました。



眠れない理由

眠るためには、まず眠れない理由を考えなければいけません。

私は、基本的に考えすぎているみたいです。別に、たくさんのことに気が付けるわけじゃない。だから、敏感とか繊細とは、もしかすると少し違うのかもしれません。繊細というのは、頭に入ってくる情報量が多いことを意味すると個人的には思っているのだけど、私の場合、頭に入ってくる情報量は多くないのです。

でも、とにかく処理が遅い。ずっとふわふわ考えてる。

ということで、安らかに眠るためには、まず、頭の中に散乱している思考、すなわちこの"ことば"たちをどうにかしなきゃならんのです。



考え中の脳内

考え事をしているときの私の脳内は、単語がバラバラ散らかってる感じ。

文章の雨で、ことばが整列する1


そして、ここに文章という、整列した文字たちが流れてくる。

文章の雨で、ことばが整列する2


すると、あっちこっちを向いてることばたちが、文章の流れに沿うようにゆるやかに整ってゆく。

文章の雨で、ことばが整列する3



あぁ、もしかしたら、頭の中に散乱してることばが、雨みたいに降り注ぐ文章によって整列するのかもしれない。

つまり、悩みが消えて無くなるわけじゃないし、床に散らばっていた紙くずを、元に戻すことはできません。けれど、それらを集めて並べておくだけの力を、文章が持っているのではないか。




だから私は、なぜ寝る前に本を読むのか?という問いに対して、「文章の雨で、ことばが整列するから」だと言いたい。




なんだか、自分の中にあった箱を、また一つ開けられたようで、とても清々しいです。

今日はよく眠れるかもね。おやすみなさい。



おわり



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