壊れゆく家族/vol.5/助けてくれた友人
2021年4月下旬、私は警察の介入もあり、別居をすることになった。
行くあてもなかった。どうしたらいいのだろうか。
その時、ずっと連絡をとっていなかった大学の友人を思い出した。
友人は血液の癌を患い、骨髄移植のドナーを待っている重病人であった。
友人に連絡したところ、6畳一間のボロアパートに私を泊めてくれた。
家族を失った私に、ずっと連絡をとっていなかった私に、自分の状況が如何に苦しい状況であるにもかかわらず、困った私を受け入れてくれた。
彼は言った「俺なら全て許しちゃうかもな。だって、俺には時間がないから、今は好きなことだけしているし、誰かを憎むことに意味も感じないから。」
彼の目の前にあるのは自分の死であり、何もかも許せる彼と自分を比較して、自分が恥ずかしくなった。
そうして、旧友との再会により、私はなんとか精神的に自分を保つことができたのである。
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