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自由律

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燦然と輝く嘘 あの子がやらなきゃここまで解明されなかった

どっちも手つかず お手つき 遮断機から飛び降りるカラス

午前2時 誰にも言いたくないけれど誰かに言わなくてはいけない

簡単にできると ちゃんとした人生を歩んできた君に励まされるのが少し憎い

寝た子を起こすな 幼い頃に手を差し伸べてくれた人の思想 では わたしはだあれ

責任をなすりつけ合う僕ら 嗤うと負けよ あっぷっぷ

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○すみませんなんて言葉大嫌いなの呼吸するように言えるけど

○埋もれるように眠る 連鎖する 道具にされたこと

○平和ボケなんかしていない俺のどこを見て言っている

○管理 完成 願望 幸福 唯一新しいのは季節だけ

○政治的になるとみんなダメみたい 馬鹿みたい

○私が悪うござんした二度と絡んでくるんじゃねえぞ

○媒体 伐採 健忘 桑の実 明日のための息遣い

○ずっと一緒にいられる方が普通な

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○校庭で追いかけ回す 先生 センセーション 情報の出入り口 スプリンクラーだけが笑う

○上も下もなく 加工 下降 気流に乗り すっかり薄くなった爪を噛む

○嘘つき誰だ 世界 どんな風に あれから変わったのか 答えなど最初からない

○商売道具のからくり 身体の一部になる鳴るバレる 湿る空気を仕舞う

○白昼の満月 午後だけがゆるやかになる あの空き地は私のものだったのに

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説明をしないで生きていけるならそちらが良い春の宵

擦り切れる感じがする騙していないけれど騙しているし騙されている

金輪際触れられないようにして地中に埋めてしまおう新しい出会いも嘘も

聞いたことのない生き物の声 葦高く 呆然と見上げる茜空

息を吐き出しても なにもわからない初夏は すぐそこ

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○おそらく少しずつズレて そのデフォルトがおかしい僕等
○春のしつらえに向かうよ 遊びに行けない代わりに
○風に乗れば紛れていける そのまま流れるいとおしさ
○握りしめて力を失って 取り戻して揺られる春の雨
○大丈夫何があっても最後まで 味方でいるからそれは起きてくる
○完全に直線を進んだとしても 転ぶにも転べない
○3月の夜と心配 霧散に消えれば約束手形のように

6(2022春)

6(2022春)

○善悪もなく縦横もない左右もない 空駆ける 広がれば良いものでもない 香りのする花をください
○正直者はバカを見るというがそうじゃないと見れない夢もある 午睡 春から落ちる
○おうおうに降ってくる 怖いことないと陽気に守れるように 小さな手を再び握る
○プリント裏の落書き はらはらとなぞる 桜のシャワーだったら早く家に帰って浴びたい
○複雑になっていくと限りがない 小さな争いが起きる 目の当たりに

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○どうしてこんな世の中になったのか結局戦争が続いてしまっている気がする
○歪んでいない 手折るとまだ瑞々しい松葉
○言い訳の影で 早く調べれば良いと 急き立てられる
○戻らなくてもいいから進みを止める薬が欲しい
○拙速に過ぎる 今世のことしか頭にない
○すてきなおとぎ話 どうせならぜんぶ見せようと足掻く
○浮いたような泣いたような 立ち止まると怖いのがよくわかった

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星取りに行くことができそうな夜空

寒空のてっぺん 電飾に無感動

途端に機嫌が悪くなる 不織布のこわばり

受け取れば良かったのに また良い人ぶって

大人たちの忙しない足音 マンホールの湯気が包む

寒波 電波 ちらつく あっちにもこっちにも

規制 帰省 気性 年々荒くなる

瞼を閉じたら乱反射 夜明け前 ほんの少しだとしても

手を伸ばし寝ずに待っていた煌めきを知っている 憶えている

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嘘の光は吐瀉物に紛れるように

あの子が憎いと泣く6歳の私よ

手書きの文字が好き声滲むから

どこにいても精霊と遊べる子らよ

垣根を越える力があれば自由

叱られても塀の上を駆け抜けていく猫のように

一瞬透けてまた戻る春の宵闇

泣き出してしまうのは強いからと言い聞かすペンだこが痛む

何もわからなくてもいいのにと心から思う

咲いて最低 花弁凍らす さあ反撃の始まり

自由律のそれ

自由律のそれ

死にたいと観念がのたまう春の宵

巧妙に果てぬ雲海覚えなく

かじかむ手まだ君のものにならない

嘘つきのカッターナイフ隠す教室

遠吠えに浸ってしまい朝憎む

西陽射す無機質な廊下に足すくむ