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自由律

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2021年12月の記事一覧

十の音色

道の終着点が見えないけれど
もうすぐ終わるのかなって思う
インスタントカメラを携えて
こっそり戻って写真に収めていた

街並みは変わることを
実感として初めて知った14歳

緑色の大きなまんまるが目の前に現れた
あの光はなんだったのだろう

昔居た場所に行けば
終わることができるとどこかで思っていたけれど
そんなことは全然なくて
ずっとこの胸の痛みは消えない

傷口を縫い尽くして
それでも足りない

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9

9

星取りに行くことができそうな夜空

寒空のてっぺん 電飾に無感動

途端に機嫌が悪くなる 不織布のこわばり

受け取れば良かったのに また良い人ぶって

大人たちの忙しない足音 マンホールの湯気が包む

寒波 電波 ちらつく あっちにもこっちにも

規制 帰省 気性 年々荒くなる

瞼を閉じたら乱反射 夜明け前 ほんの少しだとしても

手を伸ばし寝ずに待っていた煌めきを知っている 憶えている

9

○きっときっと無理がないようにしましょうね
私の菓子だけ鉄の味

○わかっていないと気が済まない
理に適っていないと癇癪を起こす

○健康に良いと余力を振り絞って宣伝している

○チラシ裏に書き殴る 自分に向けたら ただの攻撃

○はははと調整後に嘲笑 喉につかえる

○買い忘れポイント忘れ 家のポットが呼ぶから早く帰りましょう

○いつも心ここにあらず 急なリアルに対応し切れない

○萎縮 抑圧

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6

おうおうと鳴く地 12月を見護る

悪人ではない証明 体温計の鈍くなる音

Wi-Fi 傀儡 見えない絆

身分相応 未来 騒音になり唇を噛む

揚げ足取り 米粒が足裏につく不快さに酷似

畦道横断する ちっぽけだと でもまたここから