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金沢21世紀美術館に行って、絵でも彫刻でもない「アート」を知る




金沢21世紀美術館に行き、絵でも彫刻でもない「アート」を知った。




美術館へ行くのは、興味のある画家の展示を見るためだった。美術館は絵や彫刻が展示されているイメージが強かった。


だから、絵でも彫刻でもない、作品を見て衝撃を受けた。


いろんな素材を組み合わせてつくったものも、アートっていうんだ…



ヤノベケンジ

ガスマスクをつけたロボットみたいな作品だなが、第一印象。


ガスマスク→毒ガス→第1次世界大戦と、連想してみたけどちがった。
解説や図録をみてみると、水の中で浮かぶ状態を体験できる装置だった。水の中で浮かぶ=お腹の中にいる胎児の状態にし、安心を感じるもの。

全くの想定外だった。
もっている知識で読み解こうとするものではないのかもしれない。



サラ・ジー/喪失の美学

階段にあった大きなモニュメントだ。


遠目からみたらおしゃれなオブジェがあるという感じだったけど、近くでみるとペットボトルや毛糸、メジャーなど身近にあるものを組み合わせてつくられていた。階段を上り降りするときに、作品の視点が少しずつ変わっていく。どこからみても楽しめるような仕掛けになっているのだと感じた。


解説には、植物は全体に生命感を与え、扇風機の風や電気スタンドが発する光はエネルギーのプロセスを想起させる と書かれていた。自然のプロセスを表現しているらしい。一度読んだだけでは、理解できなくて何回か読み返した。


シルパ・グプタ/無題(ここに境界はない)

壁にテープでメッセージが書かれたもの。

メッセージを読んでも、どういう意味なのかピンとこなかった。



There is no border here.(ここに境界はない)
全て同じ言葉が書かれている黄色いテープで、文字が書かれている。



解説によると、この作品は目には見えない国境によって、分けられた二国間の現実を批判しているそうだ。

たしかに、ここに境界はないって言葉は、違う場所には境界があるとも受け取れる。内と外に分けて、内側は安全。外側は異国で異文化で危険。目には見えないのに、そうやって自分とはちがうって排除しようとするから対立が起きるのかな。


抵抗するんじゃなくて、アートで表現する手段もあるのだと、学んだ。



今まで美術館に行くと、絵を見て解説を読んで、この作者はこういう人でこんな作品を作ったんだ。って、知識をなぞらえる見方をしてた。




でも、絵でも彫刻でもない、アートに触れて、

目に見えるものだけじゃなくて、
どんな思いでつくったのだろう?
どうしてそれで表現しようと思ったのだろう?
って、自分なりの考えをもちながら鑑賞する面白さを発見した


知識に頼る見方じゃなくて、自分の視点でアートを見たい。自分の視点から考え、アーティストの意図を知って、刺激を受けていきたい。

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