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『稲盛和夫一日一言』5/1(月)

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 5/1(月)は、「人格=性格+哲学」です。

ポイント:人格は、生まれながらに持っている性格と、その後の人生を歩む過程で学び身につけていく哲学の両方から成り立っている。

 2004年発刊の『生き方』(稲盛和夫著 サンマーク出版)のプロローグにおいて、どのような哲学に基づいて人生を歩んでいくべきかということについて、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 魂というものは、「生き方」次第で磨かれもすれば曇りもします。人生をどう生きていくかによって、私たちの心は気高くもなれば卑しくもなるのです。

 世間には、高い能力を持ちながら、心が伴わないために道を誤る人が少なくありません。例えば、才覚が人並みはずれたものであればあるほど、それを正しい方向へと導く羅針盤が必要になります。その指針となるものが、理念や思想であり、また哲学なのです。

 そうした哲学が不足し、人格が未熟であれば、いくら才能に恵まれていても、「才あって徳なし」、せっかくの高い能力を正しい方向に活かしていくことができず、道を誤ってしまいます。これは、企業のリーダーに限らず、私たち一人一人の人生にも共通していえることです。

 この人格というものは、「性格+哲学」という式で表せると、私は考えています。人間が生まれながらに持っている性格と、その後の人生を歩む過程で学び身につけていく哲学の両方から、人格というものは成り立っている。
 つまり、性格という先天性のものに哲学という後天性のものをつけ加えていくことにより、私たちの人格は陶冶(とうや)されていくわけです。

 したがって、どのような哲学に基づいて人生を歩んでいくかによって、その人の人格が決まっていきます。哲学という根っこをしっかりと張らなければ、人格という木の幹を、太くまっすぐに成長させることはできないのです。(要約)

 ここで言われている「哲学」をもっと簡単な言葉で言い換えれば、生きていく上での「考え方」「信条」「指針」「姿勢」といったものではないでしょうか。

 世の中は思い通りにならないことで溢れています。そうした出来事に突き当たったとき、もしあなたが「思い通りにならないのが人生だ」と考えるならば、まさにその通りの結果を呼び寄せるでしょう。

 人生はその人の考えた所産であるということは、多くの成功哲学の柱となっている考え方ですが、名誉会長も自身の人生経験から、「心が呼ばないものが自分に近づいてくるはずはない」ということを信念として強く抱いてきたと言われています。

 誰しも、自分が生まれながらに持っているものを変えることはできませんが、心の持ち方、考え方次第でその後の人生をよりよく変えていくことはできるはずです。しかも、後天的に獲得したものは、どんどん積み重ねていくことで、さらにブラッシュアップできるといった性質のものです。

 自身のコアとなる部分はぶらさず、人生の経過とともに「善かれ」と感じたものを順次プラスしていく。そうすることで、自らの人格が陶冶されていく。つまり、生まれついた性質や才能をさらに鍛え練り上げ、堂々と胸を張って生きていくことができるようになるのではないでしょうか。


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