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【書評】『超情報化社会におけるサバイバル術「いいひと」戦略』(岡田斗司夫)

ロッシーです。

自分をいい人だとは思っていない私としては、「いいひと戦略ってなんだ?」と気になったので読んでみました。

まあ、アマゾンプライム会員だと無料で読めるというのが一番の理由ですけど(笑)。

簡潔にまとめると、

「これからの時代は「いいひと」戦略をとるべき!」

ということです(そのまんまやん)。


もう少し詳しくいうと、「いいひと」戦略というのは、あくまでも「戦略」なので、本当に「いいひと」になる必要はないというところがミソです。

大事なことは、周囲から「この人はいいひとだ」と思われることです。

あなたが本当はめちゃくちゃ嫌な奴だったとしてもOKです。周囲があなたを「いいひと」だと認識すればそれでいいわけですから。

「いいひと」になると、あなたの周囲には同じような「いいひと」が集まってきます。そうなれば、様々な有形無形のサポートが得られますし、ストレスも激減するためいいことずくめということです。


これだけ聞くと、「なんだ、そんなの昔からあった話でしょ。」

と思うでしょう。


確かにそうかもしれませんが、今後は貨幣経済社会から評価経済社会に移行するという側面を考えると、「いいひと」と評価されることは、評価経済社会においてものすごく有利なポジションを得られるということです。

つまり、これまでの社会よりも、「いいひと」であることのメリットがより増大しているわけです。


さて、この本が発売されたのが2014年ですから、もうそこから8年間がたちました。

確かに、現代はSNSなどで情報発信をすることが当たり前ですし、「いいひと」と思われないと、すぐに炎上したり反感を買うリスクが高いです。

有名人であっても、「いいひと」認定がされなければ発言力は低下しますし、最悪の場合、発言する場から退場させられてしまいます(そんな人いましたね)。

もはや「いいひと」であったほうが良いというよりも、「いいひと」であることがいわば義務化されるくらい「いいひと」であれという社会的圧力は強くなっているように思います。

それはSNSなどの世界だけではなく、リアルの世界でも同様です。

ちょっとでも乱暴だったり人を傷つける言動をすれば、パワハラ認定されてしまう時代です。「仕事ができればそういうことをしてもいいんだ」という時代ではなくなっています。

仕事ができる、できないの前に、「いいひと」である必要性が高くなっている時代なのです。

そう考えると、2014年にそのことに気が付いていた著者の慧眼には感服します。


でも、いいことばかりではありません。

「いいひと」であることは疲れます。

心のエネルギーを消費するため、しんどい思いをする人も増えています。

だから、「いいひと」圧力が強い現代社会においては、その対極としての言説、つまり「嫌われる勇気」「そのままのあなたでいいんだよ」的なスタンスをとる言説が増えているのだと思います。

これは、バランスをとろうとする動きとして至極自然だと思います。


「いいひと戦略」はひとつの戦略です。

別にそれが唯一の正解ではありません。

どんな戦略をとろうがそれは個人の自由です。

ただ、そもそも論をいうと、戦略うんぬんよりももっと大事なことは、自分の人生をどうしたいのか?という目標やゴール設定です。

なぜなら、それは戦略よりももっと次元の高い問題だからです。

それが決まっていないのに、戦略を選んでも意味はありません。

だから、この本を読んで

「よし、「いいひと戦略」で行くぞ!」

と安易に思わないほうが良いと思いますよ。

それに、みんな全員が「いいひと」になろうとする社会なんて気持ち悪いじゃないですか。

もしそんな社会になったら、私は自分だけでも嫌な奴になろうかな~なんて思います。

最後までお読みいただきありがとうございます。

Thank you for reading!

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