「シンプル」 2月20日の日記

今朝 鳥の鳴き声で目が覚めた

冬の間は静まり返る田舎町。ピーチクと 可愛らしさとは程遠く。

とても騒がしい鳴き声。朝と言っても朝方まで作業をしてしまったので。仮眠程度だった、、

ここ2〜3日は 新作開発に没頭してしまった。背中がガチガチである。

絵が上手い上手い と幼少期から褒められ。苦労して美術学校に行き。一応 人さまにお見せできる仕上がりには絵が描けるようになったが、、

ずーっと 「絵」で報酬を得ることを避けていた私。美術学校卒業後は「メイクは顔に塗るだけなんだから 絵と一緒でしょ！」となぜかヘアメイクのアシスタントにスカウトされ。流されるがままにしばらくヘアメイク兼モデルをやっていた。

モデルと言えば。最近。。全く体重が落ちない。あんなに、ヨガやら筋トレやら毎日やってるのになぁ。笑っちゃう。

でも、一応 甘いものを極力食べずにいたら、血行不良と冷え性が改善され。お肌がツルツルになってきた。

しかし、ずーっと我慢していたし、、新作開発も滞り。「仕方ない。こう言う時はあそこに行くか」と ウォーキングウェアに着替え。

あそこに向かう。

真冬の冷え込みはなくなり。ときおり日差しが。新作開発中は、目に入るものが全て「形」と「色」に 脳が仕分け作業をする。

濃い灰色の雲

薄い灰色雲

春の青い色雲

白い太陽

ベージュの枝

濃いピンクの梅の花。。

ああそうか。梅が咲いたから 鳥たちはちょっとした騒ぎになっていたのか！

梅だ！梅があるぞ！良い香りだ！

今度の新作は立体じゃない方のプラ板。。

絵を描くのが好き。ですが売るためには好きだけではダメです。自分の「好き」はなるべく一旦置いておくと。客観的に商品として成立する出来栄えか。を判断できるんだけど。。

それがかなり難しい。色々やってみて。迷って迷って。答えがわからない。。

であそこに行くことにしたのである。

あそことは近所のパン屋さん。

コンビニかドラックストアだらけの田舎町。手作りの美味しいパン屋さんが近所にあることは奇跡としか言いようが無い。

久しぶりの糖分だ！と甘いパンをトレイに入れて。レジに持っていく。すると。寝不足でガチガチな石みたいに丸まった私に、、眩しい光が、、

なんと言う事でしょう。可愛らしいバイトの女の子が。ハキハキと笑いかけてるではないか！胸には研修中のシールが貼られていた。

ドラックストアかコンビニとかしか無いうちの近所でオアシスとも言える焼きたてのパン屋さんで、可愛い笑顔を振りまく天使ちゃん。

丁寧に袋詰めされたパンの袋を両手で差し出す天使ちゃんに向かって、私もめいいっぱい固まった表情筋を動かし。笑顔で「ありがとう」と返した。

「そういう想像とか、瞬間走る心ん中のそういう感覚とか、きっとそんなに変なことじゃないと思うよ。人には誰でもあるんじゃないの？」
「ああ、こういうこと思ってしまったんだなーって、シンプルに受け止めればいいのよ」 

By映画「マザーウォーター 」セツコ(小林聡美)の台詞より

新作のインスピレーションを得るために。マザーウォーター を流しながら手を動かしていた。

羨ましい とか イラっとするとか

そういう感情もシンプルに受け止める。それでいいのだ。まるで女版バカボンなのだ。

立体の方が難しそう、、なんてよく言われるが。コツさえ掴めば、立体に仕上げていく方が簡単だと思うけどなぁ。グニっと曲げてしまえばごまかせますし。

単純に。ギュッと 伝わる絵を描く。それを身につけても 洋服に合わせたり。日常に溶け込むような、、そんなシンプルな絵で勝負することは、、

寿司屋の卵焼き パン屋のクロワッサン 蕎麦屋のざる蕎麦 シンガーのアカペラ 

である、、ああ恐ろしい。

「転んでみなさい。あの川に飛び込むとか。大丈夫浮いてくるから。。人はピトピト進化していくから面白い。」

新作は。どう転ぶか。自分でも全く予測不可。。だから面白い。 

そうだ、、あのオアシスに居た。笑顔が可愛いらしい天使ちゃんをイメージして仕上げていこう。

よし。これでイベントまでに間に合うぞ！

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