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爽やかな酸味と自然な甘さが絶妙なバランスの自然栽培みかん


熊本県池田さんの自然栽培みかん

熊本県玉東町で自然栽培に取り組む池田道明さん。 熊本県の北部に位置する玉東町はみかんの産地として有名な町です。 池田さんは、代々続くみかん農園を、2008年から徐々に自然栽培に切替えていきました。

そして、2015年より全農園を自然栽培に切替られ、その偉業は全国的にも大変有名な方です。 通常、果物などの果樹は農薬・肥料を野菜以上に大量に使用します。 みかんは収穫まで40回以上散布すると言われています。 池田さんは、「子供でも安心して食べられる美味しいみかんを作りたい」という想いのため、度重なる病虫害に試練を乗り越えられながら、農薬肥料不使用の自然栽培を続けてこられました。

自然栽培温州みかんの先駆者である池田道明さん。気さくなお人柄の生産者さんです。 池田さんのみかん畑の、みかんの樹の下は、雑草が生い茂っています。 この樹の下の草が覆うようにしてある自然の「草マルチ」は、直射日光を防ぐことで、地温の急上昇を抑える働きがあるそうです。

他のみかん農家さんは、今年はみかんの「日焼け」が多いとのことですが、この草マルチがあり、地温を保つことで池田さんのみかんには「日焼け」がないそうです。 また、先日の台風の影響もなかったとのこと。 「自然栽培は強いよ」との言葉に納得しました。

池田さんは、虫や植物の名前も熟知されており、雑草の名前も1つ1つご説明頂きました。 その中でも、カズラ類が多くあり、とても大切にされています。 「カズラがあることで、他の雑草を抑える働きがある。それに、カズラが増えるとみかんの樹も元気が出てくる。雑草たちを切らないことで、良い働きになっている」とのこと。

草刈は7~8年前に止めて、雑草を切らずに植物の生命をまっとうさせ腐食を送り込み、菌や生物が多様化することで土の状態が良くなり、みかんの木自体が元気になり、虫や病気、気候変動にも強いみかんの木になってきたとのことです。 実際に、年々、みかんの収量・品質ともに、いい方向に向かっているそうです。早生、晩生のみかんに関しては一般栽培と遜色ないほどにここ数年で変化したそうです。

「ここまで来るのに、10年以上かかった。虫により樹がすべて枯れてしまったこともある」とお話しされました。 自然栽培のみかんはじっくりゆっくり成長します。 そのため、実が詰まり濃厚な味わいとなります。甘みだけでなく酸みや旨みのバランスがよく、つい2個・3個と手がのびる美味しさは他ではなかなか味わうことができません。

手間ひまかけて大切に育てられたみかんをお届けいたします。 もちろん無肥料・無農薬の為皮ごと食べてもオッケーです。

手をかけ、目をかけ、愛情をかけて育てる自然栽培みかん

カイガラムシの他にも、カミキリムシといって果樹の幹深くに食い込み、木を枯らせてしまう虫もいます。 その対策に、毎日の様に果樹園を歩き回り、幼虫がいたら取り除く地道な作業を続けられてきました。 また、カラスノエンドウなど木に巻き付いて樹勢を弱らせてしまう雑草にも、苦労されてきました。

通常のみかん栽培でしたら、農薬で虫を駆逐し、除草剤で雑草を枯らし、化学肥料をたっぷりと投入してみかんを太らせます。 しかし、池田さんは無農薬・無肥料の自然栽培のために、来る日も来る日も草を刈り、あるいは鉄パイプで倒して雑草が勢いよく茂るのを防ぎ、地道に手で虫を取り除いてみかんの木を育てています。 「1~3月は剪定の時期、4~7月は草と共に生きます」と笑いながら話してくださいました。 「暇さえあればみかん畑に来る。そして、手をかけ、目をかけ、愛情をかけてやります。

ただ、仕事をしないときはしないと決めて、釣りに行ったり、絵をかいたりとメリハリをつけてやってますよ。」 みかんの樹に対する深い愛情共に、「遊ぶ時は遊ぶ」という池田さんなりの人生を幸せに生きる哲学も感じることができました。


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