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「おうち時間、何してる?」withコロナ時代の新たな暮らしの潮流

 新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で、生活者の暮らしにはどのような変化が起こっているのでしょうか。分析して見えてきたのは、外出する機会が減り相対的に家で過ごす時間が長くなるなかで、これまで外で行っていた趣味やライフワークを、家の中でどうにか再現して行おうとする「おうち◯◯」という新しいカルチャーの誕生でした。

 私たちRoomClipは、生活者の皆さんの写真の投稿を中心として、住まいや暮らしの話題を提供するソーシャルプラットフォームです。ここに集まる情報を、生活者の皆さまだけではなく、ビジネスにおいても役立つようにできればということでマーケティングチームがお送りしているのが「ルームクリップラボ」。今回は4月に実施されたライブ配信「おうち時間、何してる?」を文字起こしし、一部編集を加えたものをお届けします。

 スピーカー
(左)ルームクリップ株式会社 セールスマーケティングチーム 竹内優
(右)ルームクリップ株式会社 セールスマーケティングチーム 水上淳史

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今日のテーマは「おうち時間」

【竹内】テーマは、「おうち時間、何してる?」。今日はそれぞれの自宅からDIYでお届けします。「なぜおうち時間?」っていう話から始めなきゃいけなくて。もともと以前、3月にライブ配信を別のテーマでやったんですけれども、いわゆる新型肺炎とか、コロナとか、そういった話、言葉は一切出さずお届けしてきました。しかし、そういったものから目をそらして生活のことを話せなくなってしまった。

 我々ももう4月には完全にテレワークに変わって、おうちで過ごす時間がいきなりたくさんできて。仕事もそうですけれども、通勤時間なんかもなくなったりすることによって、使えるそれ以外の時間、家事だったり余暇の時間だったりとかたくさん増えてきている。だからこそ良かったねっていう声も聞くんですけれども、逆に課題もたくさん見つかっている。これは生活者として個人の目線でもそうですし、マーケットという目線で見ても、皆さん思われてるんじゃないかなと思います。淳史さん、「おうち時間」について今変わったなって思ってることありますか?

【水上】RoomClip、会社的には基本的に全員が在宅ワークになったところで、在宅での仕事と、あとうち保育園に通っている娘がいますけど、保育園も行けなくなって在宅保育になって、在宅ワークと子どもの世話の折り合いつけんのがめっちゃ大変ですね。

【竹内】今後ろで…。

【水上】聞こえてますよね?たぶん。

 保育園が基本的には預けられない状態になっちゃったので、妻と僕とで半分半分で世話しながら。そうすると日中半分ぐらいは子どもを見ていないといけないというところで、どうやって効率よく仕事をこなすか、まさに試行錯誤ですね。

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【竹内】効率よく仕事も過ごさなきゃいけないし、こうやって後ろでお子さんの声とか聞こえながら、彼女たちに退屈させないようにとか、できるだけ意味があることをやってあげたいとか。そういうことも考えなきゃいけないのが大変、みたいな感じですね。

投稿イベントからカジュアルレポート

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【竹内】いろんな課題あると思うんですけれども、一つがそういったどうやって余暇を過ごすか、みたいな時間ですね。で、こんな投稿イベントを3月6日から4月12日まで我々やったんです。

「みんなでシェアしよう!家の中でも楽しい趣味・遊び」

というものなんですけど、こういった世情に合わせてRoomClipの中でアイデア共有し合えることないかな、みたいなことを話したときに、まずはみんなどう過ごしてるかっていうのを見せ合ったり、それがまだ見つかってなくて困ってる人たちに話を提供しようみたいな催しをやったんですね。

 そもそも「投稿イベント」って何だろうってご存じない方もいらっしゃると思うので、まずその辺のお話から。RoomClipは写真投稿を中心としたソーシャルメディアのプラットフォームで、Instagramと類似のものって感じられるかもしれないですけれども、1つ大きな違いが投稿イベントです。Instagramって基本的にはフリーテーマで皆さんが投稿し続けるというような形ですが、RoomClipはもちろん日ごろフリーで投稿をお楽しみいただきながら、例えば「こどもと暮らすインテリア」、「家の中のにおい対策」、「除湿器、どこで使ってる?」みたいに、運営のほうから、こんなテーマで投稿してみませんか、みたいなことを投稿イベントという形で開催して、投稿のきっかけ作りや投稿されない方への参考になる情報を集めるみたいなことをやっています。

 それで3月やったのが「家の中でも楽しい趣味・遊び」というイベントでした。投稿イベントのほう、1305枚の写真が集まりまして。その集まってきた写真を分析させていただいたっていうのが今回のライブのテーマです。写真にはタグが付与されているんですけど、特に今回一番中心となって報告させていただくのは、写真の中に何が写っていたのかという文脈の部分です。私のほうで無作為に写真を100枚抽出させていただいて、人工知能ではないですけれども、私のRoomClipEyeで分けさせていただいて、文脈という視点でどういったものが写ってたとか、その背景にはこういった住まいや暮らしの事情ってのあるんだなみたいなところをお伝えします。

【水上】(駄目駄目。駄目駄目。)

【竹内】娘さん入ってきたかな?

【水上】すみません、ちょっと。

【竹内】(笑)まさにおうち時間っていうのはお仕事しながらもおうちのことが起こっているみたいな。話を戻しまして、先ほど申し上げたとおり、投稿イベントの写真を見させていただいたんですね。ではさっそく、何が写っていたのか。ご紹介していければなと思っております。

 グラフをまず一つ挙げます。こちら100枚の無作為のデータから分析したんですけれども、おうち時間、何をしていたか。1番はみんな、手作りの何か作っていた。「クラフト・アート」ですね。それ以外は結構横並びで、「クラフト・アート」を40%として、10%から5%を前後するような形で、次に「子どもと遊ぶ」だったりとか。「クラフト・アート」にももちろん「子どもと」とおっしゃる方もいるんですけど、もうちょっとジャンルレスな、おもちゃで遊んだとか、ごっこ遊びしたとかそういったジャンルレスなアクティビティを子どもと過ごしたという人を「子どもと遊ぶ」に分類しています。それ以降は、例えば「料理」を凝ってやってみましたとか。「エンタメ」と書いてますがいわゆる動画、音楽、漫画などのコンテンツを楽しんだというもの。その下では、「DIY」。クラフト・アートとは分けているのは、住まい、空間に対するものをもの作りをされたとか。そして「敷地内アウトドア」。いわゆるお庭だったり、ベランダ、バルコニー、屋上ですね。そこで遊ばれたりとか。続いてRoomClipらしい「部屋作り・模様替え」があります。

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【水上】片付けようとかね。

【竹内】それと横並びであったのが、「スポーツ・宅トレ」。運動不足に課題を感じられていたりとか、写真のなかでそういうアクティビティを見せている。その後ろ、もう1個目立ってたのが「おうちキャンプ」。家の中、敷地の中でアウトドアスタイルで過ごす。アウトドアグッズなんかを活用されて過ごされてた。そういったものがまずざっと前提としてあります。

【水上】かなり納得感ありますね。

【竹内】「手作り」っていうのが、まずは在宅おうち時間が増えたことによって一番最初にやり始めたことだったんですね、皆さん。何作ってたか気になりませんか?ハンドメイドで何か作るって、淳史さんやったりします?今おうち時間で。

【水上】うち、植物が妻も僕も好きなので、リース作ったり、スワッグ作ったり、ちょっと花屋さんで買ってきたのをまとめてドライフラワーにしたりとか、そういうのはよくやりますね。今時間ができたから、そういう意味でとてもやりやすいですね。出かける選択肢がないからまとまった時間をつくりやすい。忙しいとやっぱりしばらく放置しちゃうんだけども。

【竹内】つい後回しにしてたんだけど。

【水上】そうそう。ちゃんとサイクルを作りやすいようになってますね。

【竹内】なるほど。みんなは何作っていたんだろうというところ。まずはこういったものがありました。一個一個サンプル挙げます。まず一番左はやっぱり今の世情。手作りマスク。ソーイングが趣味の方。真ん中や右は日頃RoomClipの中でも定番だったりもするんですけれども。例えばリース作り。もしくは右手はマクラメ編み。おうちのお飾りなんかを今外出できないから編んでます、みたいな。

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【水上】そうですね。在宅の時間が増える中で、こういうマクラメ編みとかはやりだすと時間かかるからすごい相性良さそうですね。

【竹内】手芸とかはまさしくそうなのかなと思います。コメントとか読んでて分かるのは、最近やってなかったけど、時間ができたんでやってますとか。中断していた趣味もこのタイミングで改めてやる、思い出す、みたいなところも特徴なのかなって。淳史さん、お子さんとは何か作らないんですか?

【水上】最初の1週目は結構これまで遊んでたおもちゃで遊んだりしてたんだけど、やっぱり、すぐ飽きますね。手持ちのものだと1週間が限界。いまはちょうど、すごろくを作りだしました。オリジナルすごろく。

【竹内】ゲームを作って、その後またみんなで遊ぶみたいな?

【水上】そうそう。

【竹内】さて、この「おうちで何してた」の割合、100枚無作為に抽出したものがたまたまそうだったんじゃないのか、みたいに思われる方もいらっしゃるかもしれないんですけど、全投稿写真のタグのランキングがあって、ちょっとご覧いただきます。

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【竹内】実際に写真の中に付与されていたタグのトップご覧いただくと、まず「机」。卓上でやってることが最も多かったですね。普通リビングとか、部屋全体とか、そういった写真がRoomClipは話題になりがちなんですけれども、家の中での過ごし方では、やっぱり卓上のことが皆さんシェアされていたと。「ハンドメイド」とか、「ダイソー」、「100均」、もしくは「手作り」みたいな、ダイレクトに関わるワードや素材としてよく活用されるような名前だったりとかも上位に入ってきていた。大体100枚抽出すると、標本誤差でいうと10%前後の数字にはなるんですけれども、今回40%が手作りのものをやってましたっていうのは、この結果からもゆるぎなくトップと言えるだろうというのは全体見てもをご理解いただけるところです。

 もうちょっと深堀します、このクラフトアートの件。みんな何を作ったんだろうっていうと、こんな感じ。一番が「アイロンビーズ」。そして「アート」、「手芸用品」、「おもちゃ」作りました、みたいなのが続くんですね。アイロンビーズだけは単語でこれだけキーワードとして出てきました。

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【水上】アイロンビーズありますね、うちにも。

【竹内】ご存じない方もいらっしゃると思うんで、アイロンビーズとは、みたいなところですけども。小さなプラスチックのビーズを好きなパターンで並べて、アイロンでガチッて溶かして固めてしまう。これで2Dの絵だったり、何か小物を作るみたいなことを活かされたりするものです。ちなみに、真ん中の写真何か知ってますか?

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【水上】これ最近よく見るな。鬼滅の刃。

【竹内】『鬼滅の刃』ですね。一応抑えておこうかなって思ったのは、アイロンビーズに限らず、結構この作品関係でダンボールのおもちゃ作りましたとか、動画観てますとか、家の中の過ごし方で結構シェアする方々がいらっしゃったからです。100枚の中でも5枚ぐらいかな。ほかのキャラクターはあまり出てこないんですよ。ポケモンとかすみっコぐらしとかが1枚ずつぐらい出てきたような感じで。

【水上】このタイミングだとそうなんですね。

【竹内】やっぱりおうち時間今過ごすって中で、シェアされる傾向のコンテンツみたいなのもここで見えたかなというとこですね。あとアイロンビーズって、ソーシャルメディアと非常に相性がいいのかなと。

 大人でもこどもでもゴールにたどりつきやすくて、みんなの共通のキャラクターみたいなところが再現できるんで、ソーシャルメディアでもお話がしやすい。アイロンビーズがもともと流行ったときって一番最初に作られたのが皆マリオとかなんです。ファミコンの絵をそのまま再現する、みたいな。

【水上】ビット表現だから。

【竹内】そういった文脈ってのが今でも引き続きやられているみたいなイメージなんですね。

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子どもと過ごす、ひとりで過ごす

【竹内】もう一点、話題を変えます。「子どもと遊ぶ」もボリュームとしては2位でした。そもそも、この投稿者全体では子どもといる人もいれば、1人でいる方もいらっしゃいます。じゃあ、子どもといたか、そうじゃなかったか。ちょっと分類してみました。実際57%の方が子どもと過ごされている。

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【竹内】43%の方は1人、ないしは特定できずおそらく1人で過ごしてる絵だったんですね。

【水上】コメントで子どもと過ごしてるって分かる人、そんな多かったんですね。

【竹内】そうですね。コメントとか、写真に後ろで子どもが写っていたとかも見ています。子ども過ごす時間、明らかに増えてるじゃないすか、淳史さんね。

【水上】めちゃくちゃ増えてる。これまでの人生の中で一番子どもと一緒にいますよね。

【竹内】もともと共働きで保育園に連れて行って、みたいな、通わせていたんであれば、本当に過ごし方って子ども自体も全然違うぞって思いながら今過ごしてると思うんです。さっきの数字の傾向で見ると、子どもの有無って半々に近いんですね。それで、おうち時間のアクティビティって子どもがいるかいないかでだいぶ違うんじゃないかって思って、さらに分析を加えさせていただきました。

 このグラフ。子どもありの家庭でどういうアクティビティがあったかっていうのになります。「クラフト・アート」が1番なのはもちろんなんですけど、それ以外がずいぶん変わるんです。申し上げますと、2番には「子どもと遊ぶ」っていうのがぐっと面積がさらに広がる。これはもちろん。その下が「DIY」。「DIY」は子どものために何か作りましたとかを話してて。他にもアウトドアとか、スポーツであったりとか、体を動かす遊びみたいなところが非常に数字としては濃く出てくる。どういうことかというと、とにかく子どもありの家庭って子どものために時間と空間を徹底的に使おう、みたいな、写真の投稿があつまっているんですね。実際淳史さんもそう感じられてると思うんですけれども。

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【水上】感じる。

【竹内】では、子どもなしの家庭はどうだったんだろう。次のグラフにいきますね。子どもなしだともちろん「子どもと遊ぶ」っていうのはないんですけども。「クラフト・アート」がより面積が広くなって、その下、「エンタメ」。1人で好きな映画を観る、音楽を聴く、漫画読むとか。もしくは「料理・食」っていうところに手間をかけてみる。そして、「おうちキャンプ」みたいな話を前にしましたけど、子どもなしの家庭で「おうちキャンプ」みたいなところもキーワードとしてボリューム出てくる。「部屋作り・模様替え」っていうのももちろんいらっしゃるんですけれども、これも子どもなしの家庭のほうがより目を向けられているイメージですね。

【竹内】具体例というのをもうちょっと見ていきたいんですけれども。子どもありの家庭は、ますます子ども中心に時間も空間も変わっていってるみたいなところです。例えば一番左、家にいることが増えたので滑り台作りましたって。家でとにかく体動かして遊べるように、みたいなことやられて。次に真ん中、これは子どものための秘密基地を作りましたと。おそらく押入れか何かをDIYしたんだと思うんですけれども。子どもも大きくなったんでこういうのいらないかなって思ってたんだけど、作ってみたらすごい楽しんでますって。一番右になるともっとすごいなと思ったんですけど、お出かけできない子どものために前から欲しかったブランコを買って、お庭を公園みたいにしたって報告がされてるんですね。

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【水上】すばらしいですね。

【竹内】とにかく子どものためにちょっと何か意味のあることさせたいとか、体を動かせるように空間を使ってあげよう、みたいなところに結構投資をされているとこですね。

 かたや、子どもなしのご家庭についてもちょっとグラフでご覧いただきましたけど、写真で見るとより分かりやすい。例えば一番左が朝食の時間の写真だそうですけども、「朝食で遊んでみる」とコメントされてるとおり、カフェみたいに凝った料理やテーブルコーディネートをして楽しむみたいなことをされてるとか。真ん中の方になると、グリーンが好きな方。家の中で暖かいので冬でも葉挿しができちゃう、みたいな。右手はもう完全に非日常空間みたいになってますけれども。ライブのコンサートをおうちで楽しみましたということで、一緒に歌って踊ったよって報告されているんですけれども。お部屋を飾り付けたり照明だったり、プロジェクターを活用してコンサートホールみたいな演出を楽しまれてた、みたいなとこですね。

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【竹内】アイテムとしてこれ一個お話ししときたいんですけども、結構プロジェクターの写真っていうのを実はアクティビティとは別な目線でフラットに見たときにぽつぽつと見えている。例えば家飲み、花見にプロジェクター使おう、みたいなことを言ってた方とか。真ん中はヨガをするときにプロジェクターを使っていらっしゃいますとか。一番右はおうちキャンプで、単純にアウトドアグッズ広げるだけじゃなくて、キャンプでのエンタメとしてプロジェクターを展開して空間を作られている。プロジェクターって空間そのものの印象をがらっと変えるので、趣味だったり、そういったものを充実させたいときに皆さん重宝いただいているのかな、みたいなところです。

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【竹内】結果的におうち時間っていうのが増えていくことによって、過ごし方だったり、住まい空間の考え方というのもすごい変わってくるのかなと。

長期化で、何が起こる?

【竹内】今おうち時間がばっと突然たくさんできて、今だいたいこうなってますというようなところなんですけれども。さて、この先もっとビジネスとかそういった目線でも考えなきゃいけないと思ってて、おうち時間の増大がさらに長期化していくっていうことによって、今後何が起こっていくんだろうというところ。もちろん外出ができるようになった以降も続くと思うんですね、ある程度。おうちにいることの価値の見直しだったりとか、外出に対して不安や心配ってのは続くのかなとは思っていて。そういった中で今後どんな変化っていうのが引き続き起こるのか、みたいなところをちょっとお話ししようかなというとこですね。

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【竹内】一個、キーワード提示ができるかなと思ってます。ご覧ください。「おうち○○」ですね。「おうち時間?」ってちょっと思ったかもしれないですけど、「おうち○○」っていうのは、「○○」に当てはまるものがいっぱいあるんじゃないかっていうとこです。どういうことかっていうところをもうちょっと深掘していきますけれども、まず子どもの遊びを見ていくと非常に示唆的です。

【水上】何でしょう?

【竹内】おうち時間が増えたことによって、子どもの遊びってのも実はどんどん深みが出てるんですね。どういうことか。まずサンプルとして左見てもらいます。マクドナルド風セット作りましたって言ってるんですけども、おうちでマクドナルドを再現しているんですね。パッケージまで作っちゃって、お店の再現みたいのを頑張ろうとか。写真真ん中はおうちで駄菓子屋って書いてあるんですけど、駄菓子を箱で広げておうちで駄菓子屋風にして楽しんでもらう。休校中の子どものためにやりましたって書かれていると。一番右は僕知らなかったんですけれども、巷で流行りのママペイ。ママペイ始めましたっていうことですね。ママペイ知ってます?

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【水上】知ってます。お手伝いしてもらうのに対する分かりやすいおだちんというか、それをやったらこれがもらえるみたいなところで。うちはまだママペイっていう形じゃないですけど、シールを貼るみたいなやつとか。

【竹内】いわゆる家庭内通貨、ママペイという形で起こして、何かお手伝いをしてもらうとかそういうときにそういったもの子どもにあげて何かと交換できるようにしてあげるものですね。いわゆる銀行ごっことかお店ごっこのような。こういった感じで子どもの中でごっこ遊びってもちろん定番なんですけれども、それがどんどん家の中でも凝りに凝っていっているっていうような状況があります。

キーワードは「おうち〇〇」


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【竹内】これから話したいのは、この変化は、実は大人のほうにも似たようなことが起こっていますよってところなんですね。子ども大人もごっこ遊びみたいなお話です。1つ、もう分かりやすい例提示してましたね。「おうちキャンプ」です。「おうちキャンプ」ってもうちょっとサンプルをご覧いただくとこんな形です。左手がバルコニーでパラソルとか広げて焚火風に照明を演出したりとかしてキャンプ場でサイトを作るみたいな感じやられてたりとか。

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【水上】ラグもひいちゃってますもんね。すごい。

【竹内】真ん中なんて家の中なんですけれどもリビングの中にテントまで建てちゃって、アウトドアのファニチャーと組み合わせておうちでキャンプ気分を緊急事態宣言の中過ごしてますって。一番右手になると、バルコニーにアウトドアグッズ展開されたり、室内のほうにはハンモックや小さなテント状のものが張られていたり。家の中も外もちょっとアウトドア感覚で過ごして、退屈だったり日常的になりがちな家の中っていうのを楽しく過ごそう、みたいなことをやる形ですね。

 「おうちキャンプ」ともう一個筆頭で並ぶイメージが出ていたのがもう一点。「おうちカフェ」です。キーワードとしては先ほどグラフで挙げなかったんですけれども、「料理・食」にかかわる部分で、実は半数近く「おうちカフェ」というようなタグやキーワードを付与しながら皆さんやられてます。おうち時間が増える中、おうちカフェ楽しんでますって言ってる方をはじめに、例えば真ん中のサンプルのように午後からおうちカフェごっこしましたって、自分で「ごっこ」って言っちゃって家族で楽しまれてたりとか。一番右も、今日は朝からおうちカフェごっこって、カフェで朝といえばモーニングですけど、ただ朝食食べましたって話ではなくて、ちょっと普段の食事とは違う過ごし方と意味付けをする際に「おうちカフェ」というような名前とともに、テーブルコーディネートなど充実した時間を過ごす努力をされているというようなところです。

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「おうち〇〇」を見つけよう!

【竹内】簡単に、何が起こっている、何が起こっていくか、みたいなところの予測みたいなところをまとめさせていただくと、まず不可抗力もあっておうちの滞在時間というのは非常に長期化が進んでいっている。その中で、まず皆さん手近なものから手をつけていったんですけれども、だんだんその小さな変化っていうのが見えてきているのがこのあたり。外で楽しんできたものを家でも実現しようっていうところ。そこでリードしているキーワードがある。「おうち○○」という形のものがリードしてきているというようなところ。特に目立っていたり、数が多かったものから、ソーシャル上で工夫がどんどん蓄積されていって、「こういうふうにやりたかったんだよ」ってところで伝播が進んでいるみたいな現状がございますというところですね。

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【竹内】でも「おうちカフェ」と「おうちキャンプ」以外何があるんだろうって、逆に考えると難しいなって思いません?例えば「おうちで花見」されてる方とか、結構いろんな過ごし方っていうところは提案できるのかなと思うんですけど。RoomClipの中にすでにいくつかあるんじゃないかっていって一緒に調べましたね、淳史さん。

【水上】そうですね。 調べました。めっちゃありましたね。

【竹内】ご覧いただきましょう。この3月、4月に投稿があったタグを見て、「おうち○○」と付いていたものです。例えば「おうちバー」、おうち「居酒屋」、もしくは「おうちスタバ」、みたいに、おうちの中を別のお店空間として楽しもうみたいにやられてる方とか、他のパターンとしては、さっき「おうち花見」と言いましたけれども、「おうちイチゴ狩り」、「おうちピクニック」みたいに、いわゆる季節のイベントをおうちの中に輸入してしまおう、みたいな形。これは季節が進むごとによっていろんなキーワードって増えてきそうだなって、簡単に想像できるかなと思いました。

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【水上】そうですね。面白いな、これは。

【竹内】ほかにも「おうちヨガ」ってさきほどありましたけど、それに近いもので「おうちスタジオ」とか、「おうちライブ」、そんな形で日常ではなくて非日常のエンターテイメントだったものを家の中に取り入れる、みたいなところはいろんなバリエーションが出ているのかなっていうところですね。「おうちランチ」、「おうちモーニング」っていうのも、昼ごはん食べて朝ごはん食べてるだけなんですけれども、「おうちランチ」って名付けるだけで意味付けをされてるんだなって感じます。

【水上】そうですよね。これまで基本的には外でやってたっていうことですもんね。それを家の中に持ち込んでやってるっていう宣言なんですよね。

【竹内】なので、私から一個、最後申し上げておくのは、2020年っていうのは予期せずおうち○○時代っていうのが今幕開けしてるんじゃないかってところで。「おうちカフェ」、「おうちキャンプ」っていうのはすでにその中でリードしているテーマと思うんですけれども、そうやって「おうち○○」を積極的にキャッチアップして提案していくと生活者にとってフレームとしてはまりやすいし、実際そのテーマの中で登場するアイテムが取り入れられやすいものになってくのかな、みたいなところです。「おうち○○」で思いつくものっていろいろあるとは思うんですけれども、実際過去にもあったよねって話はしてたんですよね。

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2010年代、最初の「おうち〇〇」ブームを振り返る

【水上】そうなんですよ。今回いろいろ調査しておうち○○って一気に増えてきて、要はこれまで外で楽しんでたことを家の中に招き入れるときに、やっぱりソーシャルメディアにおいてはおうち○○っていう形でシェアされるっていうところまではもう分かったんですよね。で、このおうち○○ブームがこれ幕開けてくんですけど、それがどういった形で発展していくのか、どういったアプローチで今後生活者が取り入れていくのかって実は予想できるなと思っています。なぜなら、すでにおうち○○ブームは2回目だからです。

 このグラフから始めましょう。2019年3月、去年の3月と今年の2020年3月を比較して付与されているタグがどれだけ伸びてるかっていうのを図示したものなんですけど、一番左から「おうちカフェ」、「おうちキャンプ」、「おうちピクニック」、「おうちバー」、「おうちイチゴ狩り」など書いてあります。おうちバーとかおうちイチゴ狩りみたいなのは初登場でした。

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【水上】それで、「おうちキャンプ」とか「おうちピクニック」とかはやっぱり3倍、4倍伸びてるんですよね。その中で一番左の「おうちカフェ」ですが、去年も今年もあんま投稿されてる数が変わっていません。これがなぜかっていうと、もともと多かったんですね。外出ができなくなったことを背景におうちなんとかとか増えていくんだけど、それとは関係なく、すでに「おうちカフェ」っていうカルチャーは暮らしのコミュニティに根付いてた。先ほど申し上げた「おうち○○」ブーム2回目ですって言いましたけど、まさに第1回目で「おうちカフェ」ブームっていうのがすでにあったんです。

 それがいつあったかというと、2010年代初頭から始まってたんです。カフェ風インテリアみたいなキーワードが2010年代前半から暮らしのコミュニティの中で盛り上がったんですが、同時に「おうちカフェ」っていう言葉も同じ流れとして非常に盛り上がっていました。それが結局この2020年代、「おうち○○」っていうのが新たにいろいろ出てくる中で、「おうちカフェ」だけは2010年代前半からもうすでに続いてる成熟したカルチャーとして前年比比べても伸び率で言えば劇的でない状況なわけです。逆にいうともう定着した。本題は、この特徴や歴史の変遷を見ていくとこれからのおうち○○カルチャーの行き先っていうのが見やすくなるかなというようなところです。

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【水上】おうちカフェブームっていうのは2010年代初頭、30〜40代の女性、とりわけ専業主婦がソーシャルメディアにおいて牽引したカルチャーだったんですが、今思えばなんですけど、じゃあなんでこういった方々がそういったおうちカフェみたいなカルチャーを育んでいったかって考えてみると、これを担った30〜40代女性っていうのが結婚したあとに家庭に入って、これまで自分の時間をカフェで過ごしたりしてた方が、なかなか家事とかに追われるようになって自分ひとりの時間が…

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【竹内】子育てをすると出かけられないと。

【水上】そう。自由に出かけられなくなるような、まさにちょっと今と似たような状況がすでにこのときにこのカルチャーを担った方々の周りであって、それがソーシャルメディアである種一つのコミュニティみたいになって、家の中にカフェを再現しよう、みたいな動きが加速してったんじゃないかなというようなところが見えてるんですね。

【竹内】もともと住まいの中に長期過ごさなきゃいけなくなった方々っていうのが30代、40代の特に専業主婦の方々で、その方々が子育てとともに、普段今まで好きだったんだけど行けなかった場所とか、そういったものを家で再現しようみたいな動きが起こったときに、彼女たちにとってカフェが当時好きな場所で、それを再現しようみたいな動気があったということですよね?

【水上】はい。では、おうちカフェ実際どんな感じで進んでったかっていう話になるんですが、おうちの中にカフェを再現するにあたって、キーポイントとなる、象徴となるようなしつらえみたいな、ものみたいなやつがコミュニティで発見されていって、それの実現の仕方とか、これはここで買えばいいとか、そういう情報が一気に広がっていきました。「これがあればおうちカフェっぽいよね」みたいなものですね。それ例えばですけど。

 象徴的なもの一ついま写真出てますが、これは黒板メニューボードみたいなやつ。これはキッチンの吊戸棚に設置されたり、吊戸棚そのものをDIYで変えちゃって、黒板シートとかあるいはそういう黒板ボードみたいなやつを貼り付けて、それにメニューを自分で書いたりとかして再現するっていう方法があったりですとか。

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【水上】あるいは次の写真で見えてるのが。パンケース、ショーケースっていわれるようなもの。こちら非常に人気を博しまして、おうちカフェにはなくてはならない要素みたいな感じで。

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【竹内】これは確かにもともとなかなか家になかったものかもしれない。家でディスプレイしないですからね、そうやって。

【水上】しないですよね。これをどうやって実現したのかっていうのが、一番右の写真は、こういうふうに作りました、みたいなやつをソーシャルメディアでシェアしたりするんですよ。まさに設計図で、これが何によって作られているかっていうと、100均のフォトフレームみたいなものを材料にして、それにホームセンターとかで一部部材を買ってきて、それを組み合わせて作ったよ、そしたらすごく安くできるよ、みたいなとこで、そういうノウハウとセットでこういう象徴的なアイテムが発見されて、コミュニティに届いていくっていうような流れがありました。

 ちょっとまとめると、こういう「おうち○○」の中でそれを再現するための象徴的なアイテムがコミュニティで発見されて、それすぐ買えれば、すぐこれ買えばいいよみたいになったり、家庭ではサイズがでかすぎるとかいろんな事情で、ちょっとアレンジする必要があるところに100均プラスホームセンタープラスDIYみたいな、そういうのが活用されるとか、あるいは中盤以降には、業務用のものを家に入れちゃおうみたいな、そういった動きが発生する。今後、「おうち○○」を再現するうえで、そういった動きが今後出てくるんじゃないかなっていうところです。

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2020年代、おうち時間のステークホルダーが拡大

【竹内】これがおうちカフェ以外のテーマでもというところですね。

【水上】まさに。で、さっきちょっと例で出てきましたが、これから盛り上がるであろう、例えばおうちバーとかおうち居酒屋みたいにキーワード出てますから、やっぱりおうち居酒屋らしさ、おうちバーらしさを家に出すには、おそらくお酒が並んでる棚みたいなやつとか、呼び名分かんないですけど、おそらくやっぱり再現されると思うんですよね。

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【竹内】そういうことですよね。バーカウンターとか作っちゃったりとか。お酒のボトルとか皆さん並べたり。日本酒が並んでるか、ウイスキーが並んでるか、ワインが並んでるか、そもそも例えば全然違うだろうし。そこで定番になってくるアイテムかどうかってのも全然違う。

【水上】そう、アイテムとか見せ方とか、そういう棚作りのノウハウとか、そういったものがコミュニティに広く流通してくるんじゃないかなというようなところですね。

 結局、総じて2010年代RoomClip含めて暮らしのシーンをSNSで牽引したのって、やっぱり家にいる時間の長い主婦の方々だったんですよ。それが、2020年代初頭、いきなり多くの人が同じような在宅時間になったっていう状況が今まさに起こっていて。

【竹内】主婦の方だけじゃなくてっていうことですね。

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【水上】これまで当事者性のない、主婦の方じゃない、ビジネスパーソンみたいな方とか、これまで暮らしと一歩距離をおいてたような方々が、主婦の方々と同じぐらいの時間長く家にいるようになったっていう状況が、おそらくこの後それぞれ皆さんのこれまで外で楽しんでいたカルチャー、それこそバーとか居酒屋とか、キャンプとか、いろんなものあると思うんですけど、そういうものがやっぱり家の中に入ってくる。その中でそれをどうやって家の中で再現すればいいか、みたいなのがコミュニティとして盛り上がってく。それが「おうち○○」っていう言葉をキーワードにしてコミュニティが形成されていくっていう流れがあるんじゃないかなというところを今回の調査で僕は感じました。

【竹内】家の中でそういったステークホルダーを握っていた人がリードしてきたのがここ10年、20年の中でありおうちカフェというものだったんだけど、それ以外のものっていうのがステークホルダーが増えることによって、チャンスってのが出てくるんじゃないか、みたいなところですね?このトレンドをリードするって意味で、「おうち○○」みたいなものを意識しながらノウハウをシェアだったりとか、定番のアイテムを発信だったりコミュニケーションに努めると、非常に価値があると。生活者の中でも話題になっていくんじゃないかな、みたいなイメージですね。

【水上】そうですね。

【竹内】ありがとうございます。多くの人がSNSの暮らしのシーンに参戦するっていうところで、いろんなコミュニティでまたいろんな工夫ってのが起こって、それがマッシュアップされていくってような状況が引き続きインテリアの中で起こっていくだろう、みたいなとこだと思います。

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まとめ・Q&A・クロージング

【竹内】ざっくりまとめますと、全体をですね。だから当面、今動いていることっていうのはおうち時間。まず手作りってものが先行しました。テーブルの上でできるようなことですね。特にファミリーにとっては子ども中心におうち時間ってのは動いている。手作りもするんですけれども、住まいの使い方、空間の使い方ってところはとにかく時間や場所があれば子どものためにやられてる現状があります。で、小さなトリガーとして見えてきているっていうところが、おうちキャンプやおうちカフェっていうところをはじめとするような、外での楽しみを家に迎えるっていう工夫ですね。こういったものが、小さな芽っていうのもさらに見えてきてる状況で、おうち○○というのがつまりテーマだろうと。これを発見して提案していくっていうところが今後大きな鍵になっていくんじゃないかな、みたいなところが今回お伝えしたかったところですね。

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【水上】そうですね、まさに。

【竹内】こんな感じで、カジュアルなレポートをまとめさせていただきました。今後もこういったところを発信させていただきたいなと思ってます。今いろんなステークホルダーが増えてることによって、例えば家の中ですごい話題が変わってるのは、テレワークでワークスペースですね。特にビジネスパーソンだったり、そういう人たちが「こういうのいいぞ」、「DIYしたぞ」、みたいなところもRoomClipだけじゃなくてTwitterとかそういった場所でも見たりとかしますけれども。

【水上】非常に動いてますね、今ね。

【竹内】RoomClipの中で、今みたいにこういった話題に限らず、みんなどうしてるんだろとか、写真を何か特定のテーマで集めたいとか、こういうテーマの話題っての盛り上げたいんだけどっていうときに、RoomClipってぜひご活用いただけますということです。いわゆる投稿キャンペーンというものですね。

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【竹内】タイアップとかそういった形で同じようなことができるんですね。「こういった話題作りがしたいんだけど」とか、「みんなこういうことってどういうアイデアがあるんだろう」みたいなことをみんなに聞いてみたり、生活者の声を実際の写真とともに見られるっていう立体的なところが非常にRoomClipを使っていただくメリットなのかなと思っております。ぜひご相談くださいというところ。

 最後、ちょっとQ&A、クロージングってところで、何か一つご質問とかあったかなというところで拝見したいんですけれども。

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【水上】じゃあ。「主婦の方がおうちカフェなら、今後おやじが家にいるようになるとおうち居酒屋風インテリアブームも加速する?」っていうコメントいただいてますね。まさに後半ちょっとお話しさせていただきましたけど、加速しますよね、これは。

【竹内】そうですね。なんで家族みんなに楽しんでもらおうって。まず子どもと親が楽しむみたいな話がありましたけど、家族全員がやっぱり対象になるのかなということろで、お互い誰を喜ばそうとかで楽しく過ごそうというところではそういうテーマってのは非常に出てくるのかなと思いますね。

【竹内】ありがとうございます。今後も、今回コロナ関係みたいなところも色々があるんですけれども、おうち時間の楽しみ方に限らずいろんなテーマってあるとは思っています。そういったものをまたこういったライブでお届けできればなと思ってますので、ぜひ今後もご視聴いただければというところ、ご案内楽しみにお待ちください。いろいろ準備してます。それでは、今日ライブでお届けしましたが、最後までご視聴いただきましてまことにありがとうございました。

【水上】どうもありがとうございました。

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