10のキーワードに見る、2021年 暮らしのトレンド 「RoomClip Award 2021」
住まいと暮らしのソーシャルプラットフォームであるRoomClipには、生活者の日常の様々なデータが集まります。それらを定量的・定性的な目線から1年を振り返り、毎年末にトレンドキーワードや注目の集まったプロダクトを発表しているのが「RoomClip Award」です。今回は、2021年を代表するトップ10のキーワードを実際の事例やベストプロダクトと関連付けてご紹介。また、2022年以降に影響しうると考えられる潮流についても語りました。(※本テキストは、2021年12月に実施されたライブ配信「暮らしのトレンドキーワード『RoomClip Award 2021』速報解説」のダイジェスト版です)
・スピーカー:
ルームクリップ株式会社 住文化研究所 所長 川本太郎
ルームクリップ株式会社 住文化研究所 研究員 竹内優、水上淳史
●完全版テキストは文末のリンクからダウンロードいただけます●
暮らしのトレンドキーワードTOP10
2021年12月に発表されたキーワードTOP10は以下のものでした。noteでは、この中からTOP3を抜粋してご紹介します。
発表当時のプレスリリースはこちら
>今年の住まい&暮らしのトレンドを分析!「RoomClip Award 2021」を発表
1位. 心地よい暮らし
2位. 花・植物のある暮らし
3位. 暮らしの快適家電
4位. 韓国インテリア風プチプラ雑貨
5位. 季節を楽しむ
6位. 技あり100均
7位. “自分映え”な一人暮らし
8位. お部屋を彩る香りアイテム
9位. 壁付けディスプレイ
10位. 庭・ベランダのリビング化
トレンドキーワードTOP3
関連するベストプロダクトや投稿事例とともに解説
3位. 暮らしの快適家電
【竹内】3位は「暮らしの快適家電」というキーワードでまとめましたが、家電がより家事負担を軽減するというシーンや、日常にプラスアルファをもたらしてくれるシーンが今年も多く投稿されました。
特にロボット掃除機は、元々業界をけん引されているルンバさんの他にも様々なブランドさまのロボット掃除機がおうちに導入されて、ロボット掃除機の暮らしの良さを享受する方々がより増えたのが観察されました。そういった自動型の家電のバリエーションの多様化も多く見えた1年だったと思います。
日常にプラスアルファといった視点では、ベストプロダクトに選ばせていただいた家電があります。1つがこちらのコーヒーマシンです。特に在宅ワークをされる方を中心に注目が集まりました。
2位. 花・植物のある暮らし
【竹内】2位です。植物のある暮らしを取り入れる動きが2021年はより顕著でした。暮らしの中に変化や癒しを求める方が、グリーンを取り入れるという動きに繋がったと考えられます。おうちで季節の変化を楽しむ意図で、大ぶりな植物を取り入れる方も増えています。その中でも見かけるシーンが増えた植物ということで、「パンパスグラス」をベストプロダクトでも選ばせていただいています。
1位. 心地よい暮らし
【竹内】今年は、日常をどう快適に過ごすか、日常のクオリティを上げていくことが注目された一年だったと感じております。2020年から長期化するコロナ禍に対して「2020年が取り急ぎの対応、2021年は定着」の流れが見られた結果、おうち時間をいかに心地よく作り込むかに注目が高まったとも言えるかと思います。
写真は1位に選ばせていただいた「心地よい暮らし」というタグとともに投稿されたものです。この奥行きの見通しがよく空気の澄んだ感じの写真が多数見られたのも特徴だったと感じます。見た目だけに止まらず、香りなど過ごしやすさ、居心地の良さなど、五感の体験を良くする、自分たちにとって気持ちいい暮らしを目指された例が多く見られました。
関連する受賞プロダクトとしては、ラタンチェアや炊飯ジャー、トースターなどが授賞しています。いずれも日常でいつも使われてきたものを置き換え、体験を少しでも上げていこうという試みが多く見られました。
2021年の総括、そして2022年以降の潮流は?
【川本】今年の傾向を見ていくと、次の二点に総括できると思います。まず1つは、ステイホームが長引くことによって、2020年ニューノーマルで見えた変化がより2021年は馴染んでいったということ。
もう1つが、「映えから心地よさへ」ということ。いわゆる見栄えからウェルビーイングといった言葉とあいまって、心地よさという観点で2021年は暮らしを重視するRoomClipユーザーが増え、タグとしても使われたと思っております。
五感関連のタグも顕著に伸びています。
【水上】空気の周りを整えるような家電、あるいは香りに関するプロダクトなどが伸びています。こちらはルームフレグランスの伸び率のグラフですが、ここ二年は特に増加傾向で推移しています。
五感から自分中心あるいは家族中心に家づくりをしていき、「心地よい暮らし」として住まいを整えていく流れが盛り上がっているシーンが色々なかたちで生まれてきました。
【竹内】最後に、2022年のトレンドないしはコロナ禍収束後の未来予測のような見解があれば、所長にお聞きしたいと思います。
【川本】大きな話になりますが、2022年以降、ただのトレンドではなく構造変化として、脱炭素とSDGsが大きな流れになっています。SDGsは最近普及した言葉ですが、例えば「丁寧な暮らし」など、2022年は、そういった取り組みをSDGs文脈で捉え直していく動きが起きると思っています。
また、キーワードだと10位「庭・ベランダのリビング化」に関連するのですが、ベランダとかに家具を置くなどの生活環境の変化により、落下物など安全性の面で、住まい関連の業界や我々のようなメディアが新しく対応、注目するべき課題は出てくるのではないかと思います。
スピーカー:
(右)ルームクリップ株式会社 住文化研究所 所長 川本太郎
(中央)ルームクリップ株式会社 住文化研究所 研究員 水上淳史
(左)ルームクリップ株式会社 住文化研究所 研究員 竹内優