見出し画像

【運動部必見】知識で上達!球技スポーツに関節可動域が必要なワケ

【前置き】

今回は球技に絞った関節可動域の必要性について述べていきます。可動域というのは腕の曲げ伸ばしといった関節運動ができる範囲のことで動かそうとして動かせる動的可動域と他動的にしか動かせない静的可動域という分けられ方がよくされます。今回は動的可動域のほうにフォーカスします。

なぜ可動域が必要なのかというと自分は以下のように思います。

力の発揮吸収できる幅の拡大に伴う
スピード&コントロール向上、障害予防のため 
また、新たな技術(動作)獲得のため


【キネティックチェーン】

【キネティックチェーン】
物体に力を伝える際、下半身➡体幹➡上半身といったように関節が連鎖的に力を伝えること。
非荷重位のOKCと荷重位のCKCに分けられる。(スクワットなら荷重しているためCKC、自転車をこぐ動作なら下半身はOKC)


という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。サッカーのキックであったり、野球の投球など様々な場面で見られる運動様式のことで、テニスのサーブを例に出すとこのように力が発揮➡伝導されています。

画像3

そして肩関節の関節可動域が狭いとどうなるか、力が発揮、伝導できる時間が短くなり結果、伝わるエネルギー総量が小さくなります。

また、スキルへの影響だけでなく
・ある関節だけ過度な出力が必要になる
・可動域が狭い部位をほかの部位で補うようになる(代償動作)
そして怪我が増えるいった二次的な被害も出てきます。

ですので、可動域はしっかり確保し、どの関節も無理なく出力発揮することで、物体に与えるエネルギーの大きさの増大、また、相対的な出力の低下による高出力付近での精度の向上が期待できます。

テニスのサービスに関して種ケ嶋(2001)は漸減過程の主観的努力度50%が例外的結果を示したことを除くと漸増・漸減両過程都ともに主観的努力度80%の試 技が最も正確性に優れており、ポール速度の面も考慮にいれると主観的努力度80%くらいの強度での運動遂行がサービスの高パフォ一マンスを生む可能性を示した。¹⁾と述べている。

また、鬼澤ら(2011)の研究2⁾では主観的努力度70~100%のフォアハンドストロークと的あて能力の関係に負の相関がみられた。

【技術、動作の獲得】

これはどのようなことかというと、ジョコビッチ選手のナイスキャッチにみられるようなものがそうです。

画像2

ですが、このようなあまり見られないプレーだけではなく基礎的な動きへの影響が大きいと思います。

テニスのフットワークを例に出すと股関節の可動域が小さいA選手と大きい
B選手がいるとします。

ありがちなケースとして途端にドロップショット(ネット際にボールを落とすショット)を打たれて前に走らされたとします。このときの姿勢を可動域の違いから見てみると以下のようになります。

7月一回目NOTE


このように動き出しのスタンスが違えば、追いつく歩数も減り、短い時間で追いつくことができます。(可動域を出すだけでなく動き方も身につけなければなりませんが)

【最後に】

 「なぜストレッチってしなきゃいけないんですか?」と聞いて「けがを防ぐため」と、漠然に答える指導者にしか会ったことがないため自分の体のメンテナンスをする意味が運動部の頃はわかりませんでした。今も多いと思います。
 ですので今は自分のnoteが選手に対し、自分の体に目を向けるきっかけにつながること、そしてそれがパフォーマンスアップになることを願って書いています。

参考文献

[1]種ケ嶋 テニスのサービスにおける主観的努力度と客観的達成度の対応関係  日本体育学会大会号 52巻 0 551 2001

[2]鬼澤 ほか テニスのグラウンドストロークにおける主観的努力度と客観的達成度の対応関係に関する研究 コーチング学研究 25巻 1 91-98 2011



サポート頂けたら幸いです!皆さまのサポートは更なる質の高い研究を生み出すため、研究費に充てさせて頂きます。研究費ですので、ある程度溜まってから使う所存です。その際は、こちらまたは、Twitterにてご報告いたします!