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[要旨]

これからは、先を見通すことが困難な、VUCAの時代になっていくので、単に、過去の事例を踏襲するという、従来のやり方を変えて、環境に適応した新たな手法を編み出し実践するという組織が求められており、経営者の方たちは、そのための仕組みづくりをしていくことが大切です。


[本文]

ダイヤモンドオンラインに、リクルートマネジメントソリューションズの的場正人さへのインタビュー記事が載っていました。インタビューの要旨は、現在は、VUCA(Volatility(変動制)、Uncertainly(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性))の時代といわれる、先の見えにくい時代になり、過去の成功モデルや、勝ちパターンが通用しなくなっている。

したがって、正解が分からない中でも方向性を決め、組織一丸となって「やり抜くこと」と、状況に応じて柔軟に「変革すること」を両立できる組織能力が必要になる。さらに、その実現には旧来型のマネジメントからのパラダイム転換が必要であり、その実践は容易でないことであるから、経営者は、それをマネジャーたちに任せるだけではなく、会社全体で仕組みを構築したり、経営者層自身の意識変革や、スキル習得をサポートする施策が不可欠だ、というものです。

この、的場さんのご指摘については、多くの方が賛同されると思います。しかし、現実を見てみると、VUCAの時代に対応した経営を実践するにあたって、私は、大きく2つの課題があると考えています。ひとつめは、多くの経営者の方は、「勝ちパターン」を求めてしまいがちということです。ある意味、それは手っ取り早くもうけたいということであり、率直な要求でしょう。ただ、VUCAの時代は、それが通用しなくなりつつあるという事実も受け止めなければならないでしょう。

ふたつめは、的場さんの指摘するような、実行力と、変化に対応できる柔軟性を兼ね備える仕組みづくりも、一朝一夕では実現することができないということです。この課題を克服することは、大きな会社でもたいへんなことですから、経営資源が比較的少ない中小企業では、さらにたいへんかもしれません。

といいつつ、私も、これらのふたつの課題を、どのように解決していけばよいのかということは、現時点で明確にわかっていません。ただ、これからは、的場さんのご指摘の通り、従来のやり方が通用しない時代になっているという現実を受け止め、それを解決することに、1日でも早く取り組み始めた会社が、競合上、優位になるということも事実だと思います。

むしろ、VUCAの時代になったからこそ、経営者は、「仕組みづくり」に軸足を置くことを、ますます求められているということでしょう。繰り返しになりますが、従来のような、付け焼刃的な経営、成り行きの経営は、まったく通用しなくなるということを、今後、経営者の方たちは、深く認識する必要があると思います。

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