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[要旨]

経営者の方は、事業に関するスキルを持つだけでなく、財務管理を含めたマネージメントスキルを身に着ける必要があり、それなしには、事業全体を管理できず、事業を成功に結び付けることはできません。


[本文]

以前、プロスポーツ選手を専門に顧問先にしているという、税理士のTさんから、お話をきく機会がありました。Tさん自身も、かつては、プロスポーツ選手だったということで、顧問先の事情をよく理解していることから、顧問先に対して、微に入り細を穿つご支援をするのかと思って話をきいていたのですが、お話をきいてみると、実際は、顧問先自身に1か月ごとに収支をまとめさせ、それに基づいて、毎月の活動方針を明確化させているということでした。

特に、プロスポーツ選手は、選手として活動できる期間が、一般の事業と比較して短いので、収支を含めてきちんと自己管理できないと、成果もあげられないということで、プロスポーツ選手の経験をもつTさんだからこそ、そのような指導方針を打ち出せるのだと感じました。私は、そのようなTさんの指導方針に対して、一瞬、意外さを感じたものの、やはり、Tさんは、本来の顧問税理士のあるべき姿勢をとっておられると感じました。

確かに、税理士の本来の業務は、税務申告の代行ですが、それだけでは、単に、事務の代行にすぎず、指導をする側と指導を受ける側の関係ではありません。税理士と顧問先の関係は、最終的には、顧問先の事業の発展だと思います。その目的の達成のたに、収支を含めて、顧問先自身にマネージメント能力をつけさせていくという方針は、私はすばらしいと感じました。ところが、一般の事業に広げてみてみると、財務管理については、あまり関心がない経営者の方は、依然、少なくないようです。

確かに、経理事務を経営者の方が行う必要はありませんが、毎月、事業の成果を確認し、それに基づいて着実に改善を重ねいくという活動は、事業を発展させるためには欠かせないものです。経営者の方の担う役割は、まず、事業のマネージメントであり、そのマネージメントには財務情報の定期的な確認が欠かせないと考えれば、財務情報には無関心ではいられなくなるのではないでしょうか?Tさんのお話をきいて、あらためて、経営者の方のマネージメントと財務管理の重要性を感じました。

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