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学力に影響するIQより重要な要素とは?

それを言ってはおしまいな残酷な真実?

最近読んだ記事にこんなことが書かれていた。

学業成績は55%が遺伝する。
論理的推論能力は68%が遺伝する。
一般知能(IQ)は77%が遺伝する。

https://saikyoubenkyouhou.com/study-gene/

私は遺伝行動学の研究者ではないので、真偽は確かかどうかはわからないが、これが本当ならば、学力やその後の成功の60%は受け継いだ遺伝で決まるようだ。

さらに中学受験を描きドラマ化もされた漫画「二月の勝者」はこんなフレーズから始まる。

中学受験は、父親の『経済力』 そして、母親の『狂気』

「二月の勝者」

ここでは、塾や家庭教師の月謝を払い続けられる父親の稼ぎと、子供の受験のサポートに徹底的にコミットできる母親の献身性を指している。つまりは、中学受験においては、恵まれた環境で育つかどうかが成否を決める。

確かに、社会的に成功しているように見える方々に、その育った環境を聞くと、親御さんも経済力があり、社会的に高い地位にあることが多い。

ハイスペックな遺伝を受け継ぎ、恵まれた環境を用意される。今を時めくビジネスパーソンも、起業家も、政治家も官僚も、研究者も芸術家も、このパターンが多いのは残酷ながら事実だと思う。

 だからと言って、「努力しても無駄だ」「大きな夢を持たずに身の丈にあった生き方をしなさい」と我が子達に言ってしまうのは、あまりにも寂しい。そして父親としてその力不足を申し訳なく思ってしまう。誰もがチャレンジしてチャンスがある社会になってほしいし、できるならば、遺伝に関係ない残りの40%の部分に目を向けて努力をしてほしい。

そんなことを考えている中で一筋の光とも言える研究を見つけた。

学力を決めるのはIQではなく「ワーキングメモリ」という研究

 学力がIQで決まるならば、上述のようにほぼ遺伝で決まると言っても過言ではない。二宮金次郎ばりに寝食を惜しんで勉学に励んでも、優秀な遺伝子を持つ人には叶う可能性は低い。
 
しかし、学力を決めるのはIQではなく、別の要素であり、それが鍛えることができるとしたら、こんなに救われる話はない。

エディンバラ大学の研究者らによると、5歳の子どもが11歳になるまでの6年間の学業の成績を調査したところ、彼らが5歳のときに測ったワーキングメモリ能力の高さが成績のよさに比例しており、IQよりも高い因果関係が見られたようだ。

Investigating the predictive roles of working memory and IQ in academic attainment

ワーキングメモリと学業成績の関係を示す証拠は増えてきている。本研究の目的は、ワーキングメモリーが単にIQの代理なのか、それとも学習成果に対して独自の寄与があるのかを調査することである。その結果、5歳時点での子どものワーキングメモリ能力は、6年後の識字能力と計算能力の最良の予測因子であることが示された。この結果は、ワーキングメモリがIQの代用品ではなく、むしろ学業達成とユニークな関連を持つ解離可能な認知スキルであることを示すものである。さらに、ワーキングメモリはIQよりも教育開始時の方が、その後の学業成就の強力な予測因子であることも明らかになった。この結果は、教育、特に介入に関して重要な示唆を与えている。

Journal of Experimental Child Psychology

ワーキングメモリとは
ワーキングメモリは認知心理学で用いられる構成概念で、作業記憶、作動記憶と呼ばれることもあります。脳の前頭前野の働きの一つで、作業や動作に必要な情報を一時的に記憶し処理する能力で、私たちの行動や判断に影響しているともいわれています。なかなか馴染みのない言葉かもしれませんが、実は私たちの日常に深く関係している機能なのです。

https://h-navi.jp/column/article/35026645

この研究結果は、何年にも及ぶ塾への課金をし続けられるか不安で、決して遺伝的(IQ)にも大したものを引き継げないと自信喪失していた私にとっては朗報である。特に刺さったのは、学習開始時点(5歳)におけるワーキングメモリがその後の学力にとって重要な要素であるということだ。

というのも、我が子達は、幼少期から、「そろタッチ」にてそろばん式暗算力向上を通して視空間性ワーキングメモリをバシバシ鍛えていたからである。下記の記事にあるように、ちょうど1年前に神経衰弱ゲームで強すぎる息子に感心したものだった。

ワーキングメモリを鍛えるためには、そろばん式暗算の練習だけではなく、他にも様々な方法があるようだ。(お金がかからない方法も多々ある)

・読み聞かせ
・木登り、アスレチック
・ピアノ
・ストレスを減らす

親としては子供の学力を伸ばすためであればと、これでもかというほどいくつもの塾や教室に通わせ、家庭教師もとなりがちである。

しかし、学力のためにワーキングメモリが重要ならば、実は自然の中で木登りをしたり、寝る前に読み聞かせをして、毎日15-30分そろタッチでそろばん式暗算学習をする方が良い。何より子ども達のストレスを減らし、のびのびできる生活リズムを提供して上げるほうが良いのだ。

格差社会、勝ち組負け組、生まれた環境がすべて、親ガチャ。。。
世知辛い世の中であるが、子供の学力向上には、ハイスペ遺伝、恵まれた環境以外でも親として提供できることがあるのだと信じている。。

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