【人物解体新書】前編:採用コンサルタントとしてRebornした僕。つまづいて、立ち上がって、辿り着いた“本当の仕事”のおもしろさ。
【人物解体新書】とは、話を引き出すプロのキャリアコンサルタントがHR領域での活躍者にインタビューをして、様々な心理学やキャリア理論を用いながら、読者の皆さまが再現できるように活躍者を解明していくコンテンツです。
㈱ログシーのキャリアコンサルタント&広報担当の鈴木さくらです。
多くの人が仕事に求めるものの一つとして挙げられる、「やりがい」。その「やりがい」から「使命感」にシフトするという、目が覚める瞬間をあなたは経験したことがありますか?
今回は、印象深い一つの案件を通して「やりがい」のその先にある「使命感」から見える景色に出会えた一人の活躍者を通して、その成長の軌跡と秘訣を探っていきます。
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■スタートはつまづきの連続だった
2018年秋に弊社へ中途入社した採用支援事業部営業リーダーの大橋響(おおはし ひびき)。中途採用のご支援で大きな案件を担当することになり、そこから数ヶ月かけて、採用コンサルタントとしての仕事観を揺さぶられる体験と遭遇することになった。
「お客様に『もっと提案がほしいです』って言われたんです。というのは、『この状況でこのまま採用活動を進めてもうまくいかなそうだからどうすればいいのか、営業目線での具体的な提案がほしい』と。おっしゃる通りで、多忙を言い訳にちゃんとお客様に向き合えてなかった自分に気づかされました」。
-それはA社様の案件に取り組み始めて、どれくらい経った頃に言われたんですか?
「2~3週目くらいですね。言い訳にはなりませんが、実はコロナ禍の影響で急遽不慣れなリモート(在宅)勤務になって、当初は上長や他部署との連携が弱くなり、お客様への対応が後手後手に回ってしまっていました」。
上長に相談する際はせめて丸腰ではなく、自分なりの解をもって相談したいものである。それは新入社員でも学ぶ報連相の基本だからだ。でもそれができないほど、大橋の対応は後手後手に回っていた。
「はい、その通りです。自分なりの解すら用意できなかった。本当に情けなかったです。でも、隠しても前に進まないので、そのまずい状態を洗いざらい出して、そこから対策としてこういう提案をしていきます、と伝えて。そこから徐々に改善していったという感じです」。
■「準備」という、仕事上での基本の「き」の重要さ
最初からつまづきの連続で、大きな案件を担当することにプレッシャーを感じていた大橋だったが、一方で、仕事の基本に立ち戻れたことは大橋にとって大きな収穫だった。
「やっぱり準備が一番大事。準備を制する者はビジネスを制すると言っても過言ではないと思います。何を初心者みたいなことを…と思われるかもしれませんが、これは声を大にして言いたい」。
-準備とは?具体的に?
「こういうことが想定されるだろうから、そのためにこれを作っておこうとか、これを備えておこうとか。それをできるだけたくさん用意しておく。そのバリエーションは経験値とともにどんどん数が増えていく。それがお客様の信頼を得られることだと思うんです。単にイチ営業じゃなくて、採用コンサルタントというポジションで仕事をしていくのであれば、お客様の採用にまつわるお悩みに対して解決策をどれだけ提案できるかだと思うんですね。準備したことをそのときに活かせなかったとしても、その先に活かせるときは来るだろうし、それさえ想定しておけば、別の角度やアレンジをしてまた新たな提案ができるようになるから、改めて準備は本当に大事だと身を以て知りました」。
「準備を制する者はビジネスを制する」という大橋の言葉は、経験値が増えて、油断と過信で足を掬われそうになったときにぜひとも思い出したい言葉である。
「それ以来、先方様との毎回のmtgもやりやすくなりました。最初は先方様も僕に任せることが不安だったと思うんですけど、任せてもらえるようになって、求めていた採用コンサルタントってこういうものなのかってようやく実感できました」。
■「やりがい」が「使命感」に変わった脱皮の瞬間
仕事の基本に立ち返ることができたなかで、仕事への向き合い方が変わったのもこの案件だった。それは、「やりがい」の変化だった。
「A社様の案件を担当するまで、僕のやりがいは2つでした。1つ目はお客様からリピートをいただくこと。自分が担当した案件が上手くいけば、それがお客様によろこばれるので、再度依頼をいただくことがやりがいでした。2つ目は毎月の予算達成。営業として予算が達成できないときは、やりがいも何もないですからね」。
そんな風に仕事の「やりがい」を見出していた大橋が「やりがい」の変わる瞬間に立ち会った。
「先方の担当者様が上長に進捗を報告するという機会があったんです。それに先駆けて、『上長にしっかり報告できるような情報をください』と言われて、それを聞いたときに、自分が結果を出せないと担当者様が上長に叱られることになる。それをその場で感じて、この方が上長にもっといい報告ができるように自分が結果を出さないといけないんだということをより強く感じて、それは僕にとって目が覚めた瞬間だったんです」。
どういうことだろうか?
「今までは先方から『上長に報告する内容をどうしたらいいですか』っていうのを直接言われたことがなかったから、そういうことを深く考えたことがなかった。でも、改めて自分が間接的に担当者様の評価に関わっているんだということがわかった時に、今まで関わってきた他社の担当者様にもそこまで深く考えてあげられていなかったなと思ったんです。それまでは近視眼的に、目の前の採用数という結果だけしか見てなかったので、それではいけないなと。大げさかもしれませんが、担当者様と同じ船に乗っている運命共同体みたいな感覚ですよね」。
縁あって弊社と自分を選んでいただき、一緒に仕事をさせていただく担当者様が上長に良い報告ができるようにサポートするのが自分の役割なんだと気がついたとき、これまで感じていた「やりがい」とそのときの「やりがい」はどう変わったのだろうか。
「後者の方が今まで感じたことのない『使命感』を覚えるようになりました。『やりがい』というよりは、これが僕の役割なんだなと。もっとサポートしてあげたいなとか、役に立てることがあればもっと役に立ちたいなとか、内から沸き起こるように思うようになりました。だからやりがいの分類とはまた少し違うような気がします」。
これこそまさに一皮むけた経験と言えよう。これまで大橋が感じていた「リピートをいただくことと予算達成」という「やりがい」は、もちろん会社のためではあるものの、自己完結しやすい。自分が満足するという、自分目線の意味合いが強かった。
しかし、A社様を通して感じた「使命感」はもっと大きな意味合いを持つ。自分一人で完結しえない、誰かのためにという他者目線が入ってくる。自分のために、ではなく、相手のためにという決意を帯びた使命感を覚えたとき、仕事の醍醐味を実感できるのだろう。
「やりがい」をも内包する「使命感」。“本当の仕事”はここからなのかもしれない。
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