『京都・未完の産業都市のゆくえ』を読んで
(本稿は 2024/3/27 に『不動産経済Focus&Research』に発表した、有賀健著『京都・未完の産業都市のゆくえ』(新潮選書)を評しつつ、リベラルやグローバリゼーションの弊害と、その見直しについて述べた論考を再公表するものです。)
先般、京都では16 年ぶりに新市長が誕生した。しかし、市長選は白熱したものの「人口減少日本一」の現況を改め、若者の人口流出やオーバーツーリズムの課題解決に至るには枝葉末節の、それも対症療法をめぐる論議に終始したように映り、物足りなさ