マガジンのカバー画像

産業遺産

7
産業遺産
運営しているクリエイター

記事一覧

ドイツ旅行2016:デュイスブルク北・景観公園(Landschaftspark Duisburg-Nord)

ドイツ旅行2016:デュイスブルク北・景観公園(Landschaftspark Duisburg-Nord)

2016.09.20

Landschaftspark Duisburg-Nord
直訳するとデュイスブルク北・景観公園となる。実際どんな場所かというと、閉鎖された製鉄所を保存して一般公開している公園だ。
景観と言うと急に小難しく感じるしそれだけでは廃製鉄所を保存している場所という実態は伝わってこないが、それでもなお景観という言葉を名称に付けているのは、「地元の人にとっていつも眺めていた(目に入っ

もっとみる
通信:草戸峠に残る鎧装ケーブルとケーブルハット

通信:草戸峠に残る鎧装ケーブルとケーブルハット

戦前の長距離電話のケーブルが埋設状態のまま残っていると聞いて、見に行ってきた。

ルートはこんな感じで、町田市の相原から登って草戸峠を越えて八王子市の南浅川(梅の木平)に降りるルート。高低差100mの峠越えで、ちょっとした運動にはなるだろう。途中にケーブルとケーブルハットと呼ばれる小屋が残っているので、その2つは見逃さないようにするつもりだ。

町田市の相原からのアプローチだが、JR中央線の西八王

もっとみる
空撮:競馬場跡

空撮:競馬場跡

日本各地に廃止になった競馬場跡がたくさん残されている。その数、ざっと100以上。
廃止の経緯はいろいろあるが、その中でも多いのが、戦前各産馬地で畜産組合が開催していた「地方競馬」が、軍用馬確保と戦時統制を目的とした昭和14年(1939年)の軍馬資源保護法によって廃止に追い込まれたというもの。2024年時点で、廃止から85年も経過している。それでも、くっきりと痕跡が残っている競馬場跡がいくつもある。

もっとみる
史跡:土木:谷口石切丁場跡(佐賀県唐津市浜玉町)

史跡:土木:谷口石切丁場跡(佐賀県唐津市浜玉町)

手前の川は玉島川。その河口からほど近い右岸の丘陵、黒田山と呼ばれている山の頂上付近に石切り場がある。切り出された石材は、玉島川から海に出されて運ばれて行ったと考えられている。

石切り場では、直方体に加工された石材がまさに山から降ろされようとしている状態で放置されている。城建設のための石材と考えられるが、唐津藩内や近辺には該当する城がなく、大阪城建設のためだったかと推論されている。江戸時代初期の頃

もっとみる
産業遺産:産業景観:選鉱場跡/選炭場跡

産業遺産:産業景観:選鉱場跡/選炭場跡

日本国内に、それなりの数の鉱山や炭鉱が稼働していた頃、採掘した鉱石や石炭を選別する選鉱場/選炭場と呼ばれる施設が設けられていた。
それらは鉱山や炭鉱が閉山するに伴って同様に無用のものとなり、そのまま廃墟となった。やがて建物は朽ちて、危険だからというので取り壊しも進んだ。

神子畑選鉱場跡(兵庫県朝来市)明延鉱山の選鉱場跡。明延鉱山は錫を主要産出物として、銅、亜鉛、タングステンなどを産出していた。

もっとみる
産業遺産:多摩川スピードウェイ観客席跡(神奈川県川崎市)

産業遺産:多摩川スピードウェイ観客席跡(神奈川県川崎市)

昭和11年(1936年)多摩川の河川敷に、日本で初めての常設自動車レース場が開設された。観客席は堤防の法面を階段状にして作られた。レース場廃止後も観客席は残り続けたが、堤防の改修に伴って取り壊されることになっている。
2021.10.17

写真右側のグラウンドになっている場所がサーキットだった。多摩川スピードウェイの廃止後は、プロ野球の日本ハムの練習グラウンドとして使われていた時期もある。

もっとみる