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マジメに生きていても災難ばかり~「シリアスマン」

今週もまだコーエン兄弟作品を視聴中。
今日は2009年公開「シリアスマン」

主人公が大小さまざまな災難に見舞われていくというお話。
不条理系とも見えるが、その災難のどれもがあってもおかしくないようなものばかり。ただそれが一度に降りかかってくるというもの。

この主人公の責任ではないものも多いのだが、なんとなくそのキャラクターから同情心が起きてこないのも我ながらおかしい。それはコーエン作品特有の”共感を呼ばないキャラクター”ということか。

それでユダヤ教信者の彼は、その助けをラビに求める。しかしそのラビもまったく頼りにならない。実際にこういう人たちがいてこういうやりとりがあるというのを初めて知ったが、日本だったらどうだろう。仏教とかだとやっているのかな。

なんだかんだとこれらの災難をやり過ごして、最後はうまく収まるかに見えて、やっぱりまた新たな災難が。というところで映画は終わる。
ここまで極端ではなくとも、これはすべての人間の人生だと感じた。
そうやってうまく行かないことに囲まれてなんとかもがいていってでも生きていくのが人生。何でもかんでも思い通りにハッピーになんていかないよね。

こういう”マジメな”人々=すべての人間の哀れさであり愛おしさを、すくいとった映画なんだなと感じた。

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