やっぱり松田聖子しか思い浮かばないよね~「青い珊瑚礁」
昔の歌謡曲で映画のタイトルを拝借していていて当時の人からはバレバレなのだけど、今となっては曲だけが記憶に残っているというものも少なくないようだ。松田聖子がスターダムに駆け上がることになったきっかけが「青い珊瑚礁」なのだが、これも元ネタとなった映画があった。1980年公開「青い珊瑚礁」
若い男女が無人島に流れ着いて、そこでたくましく成長していくというお話。最後は無事に助けられるのだが、10年以上も無人島で生活をするというタイヘンなお話なのだ。その間に男女はお互いを意識し始めて子を儲けるまでに至る。
お話は極めてシンプルで、これといった山場もない。
でも案外自然や風景を丁寧に撮っていたり、細部にこだわっていたりして、ちゃんと作ろうとしていたんだなとは思った。
まだ性も知らない男女がお互いを意識していくところなんかは、「ダフニスとクロエ」のパターンをきちんと踏襲。今からするとドキッとするようなシーンもあって(今では撮影不可・・・)、時代を感じさせる。
当時はけっこう流行ったのかな。でもこの映画についても、主演のブルック・シールズについて語られることもほとんどない。流行歌のタイトルに使われるくらいの作品でも、時と共に忘れ去られていくという、悲しい現実をつきつけられる、そんな作品でもある。
では、最後に松田聖子の「青い珊瑚礁」を二つ紹介して締めくくりたい。
まずは1980年のもの。
なんと伸びやかな歌声か。タイトルにぴったり。これで当時は「聖子は歌が下手」と言われていたという。逆に言えばそれだけ画期的な歌唱だったということか。
そして次は最近の歌唱である。一時に比べれば声が戻ってきたようにも聞こえる。娘の死ということを思うと、胸がしめつけられるようだ。