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そして歌が歴史に残った~「スローなブギにしてくれ」

往時の角川映画は、小説と映画と主題歌をセットで売り出して世の中を席巻する手法で成功を収めていた。
本作もその一つ。今では映画より主題歌が一番有名になっているが。1981年「スローなブギにしてくれ」

当時の空気というのはこういうものだったのだろうか、と腕組みをして考えてしまうくらい、どの人物に対しても共感を覚えることができない。こういうのがクールだったのだろうかね。家出少女とワケアリの中年男性、そしてゴロツキのバイク少年。

ストーリーもあってないようなもの。印象に残りそうなシーンをつなぎ合わせたような演出。藤田敏八監督の作品では、「修羅雪姫」はとても面白かった記憶があるが、本作と同じような現代劇である「八月の濡れた砂」もイマイチだったように思う。いずれも現代の世相を描き出そうとしてあえてこういうスタイルにしているのだろうか。他は未視聴なのでなんとも断定しがたいけれども。

そういうことで、主演の浅野温子はがんばって演技はしているのだが、あまり演技の巧拙が本作の評価に影響は与えられていないようにも思う。そういう作品ではないから。
またこの時代の邦画に共通しているのだが、「体当たり」の濡れ場もあるのだけれども、正直必然性は感じられない。もうお約束ですよね、これは。今から見るとちょっと正視に堪えないという人もいるだろう。

ここまでネガティブな面ばかり書き連ねてきたが、あまりお勧めできるような作品ではないことは確か(笑)。でも昔ウケていたノリを知りたい方にはよいかもしれない。

本作で唯一にして最大の功績は、この主題歌を世に送り出したということか。
最後にこの歌を紹介して終わりたい。


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