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”マリア”ではないナタリー・ウッドの真価~「理由なき反抗」「草原の輝き」

先日、ジェームズ・ディーン主演の「理由なき反抗」を鑑賞したのだが、そのヒロイン役がナタリー・ウッドであることを、初めて知った。
ナタリーと言えば、「ウエストサイド物語」のマリアである。あの夢見がちでどこかあか抜けない感じの役どころだったが、本作ではだいぶ都会的でキラキラしている印象。同一人物だとはしばらく気づかなかったくらいだ。

「理由なき反抗」は、ジェームズ・ディーンの代表作ではあるのだが、正直その演技が濃すぎて少々胃もたれを起こしてしまう。
それに引っ張られてかナタリーの演技もどこか情熱的である。マリアも情熱的ではあるが、何だろうこの違いは。メイクが都会的なのかな。

「草原の輝き」は「ウエストサイド物語」と同年公開の作品。本作のナタリーは「理由なき」や「ウエスト」よりますます情熱的というか激情的である。
貞淑な少女から激しく性愛を求める女性まで、一作品の中の振れ幅がすごい。愛とはかくも少女を狂わせるのかというのを体現している。

「ウエストサイド物語」のマリアは、名曲"トゥナイト"くらいしか印象がなく脇役のリフやベルナルドに喰われてしまっている感があったが、特に「草原の輝き」のディーニーは映画自体を支配しているようだ。こんな演技派だとは「ウエスト」からは思いもしなかった。

その後に不幸な死を遂げてしまうが、それがなければもっとその名を残していたのではないかと思うと、とても残念である。

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