見出し画像

がんばって最後まで観てみて!~「ボー・ジェスト」

ゲーリー・クーパー祭りを実施中なのだが、初期作品はけっこうツラくて途中で気分転換を図ったりしていたのだが。
この作品から再開してみると、案外面白かったので一安心。
という、1939年公開「ボー・ジェスト」である。

「ボー・ジェスト」というのはフランス語で”美しい行い”とのこと。
しかし、本作では主人公の名前でもある。ボー含めたジェスト三兄弟である。

大半は戦場での場面に終始するのだが、そこではイヤな上官にどう反抗するかという件だったりするのだけれども、「青い水」という巨大なサファイヤをめぐるミステリ展開が作品を貫いている。

昔の作品って、けっこう雑だったり簡単なあらすじだったりと、現代的な視点からすると見応えがないようなものも少なくないのだけど、本作はなかなか優れている。最後の種明かし・伏線回収がお見事。
そして、タイトルである「ボー・ジェスト」に込められた意味が開かされた時、観る者はカタルシスを覚えることとなる。

ちょと中だるみの部分もなくはないが、この時代の作品としては秀逸であった。

奇人・変人役の多いクープは、本作ではその奇人ぶりは影を潜めていて、むしろ物足りないくらい。キャラクターというよりストーリー重視の作品だから仕方なしか。

あと、このクープの子供時代を演じるのが、なんと「雨に唄えば」のドナルド・オコナー。子供のころからあのまんま、一目で分かるので、そこもなんだかお得な気分になった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?