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キューブリックらしからぬ~「アイズワイドシャット」

キューブリック監督ほどどれも話題作として送り出した映画監督はいないのではないだろうか。
博士の異常な愛情、2001年、時計仕掛け、フルメタルジャケット。
その割には、相対的に語られることが少ないのが遺作となった「アイズワイドシャット」である。1999年、劇場公開を待たずに監督はこの世を去っている。

この頃のニコール・キッドマンの美しさといったらもう。それだけで眼福ではあるが、普通の主婦感がまったくない点がミスキャストかもしれない。まあこれだけキレイな奥さんがいたら、トムのように身もだえしてしまうのも無理はない、かな。

キューブリックが最後の最後で急逝したからなのかもしれないが、あまりキューブリックらしさはない。せいぜい、現実と妄想とが入り混じる展開がそれらしいと言えばそれらしいか。このあたりは多少シャイニングとも通じているようにも思える。

一説にはトムとニコールが自分たちの思うままに演技したのが、キューブリックの意に反していたとか。キューブリック作品としては、俳優の色が前面に出過ぎているのはたしか。シャイニングのジャック・ニコルソンは、、それも含めてキューブリックっぽいからいいのかな。

えてして、遺作はしりすぼみになりがちということなのかもしれない。今存命の名監督も元気なうちの作品を見に行っておいた方がよいのだろう。

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