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この存在感でまだ30代だって~「シンシナティ・キッド」「華麗なる賭け」

ペキンパーヘビロテ期間が終わり、今はスティーブ・マックイーン作品を集中鑑賞中。
今回は「シンシナティ・キッド」「華麗なる賭け」の二本立てで。

スティーブはちょい悪が良く似合う。この二作とも30代半ばから後半にかけてとなるのだが、まあスティーブはスティーブといった感じ。
「シンシナティ・キッド」は賭けポーカーで身を立てる役。街にやってきた大物”ザ・マン”との闘いまでと闘いの様子を描いていくのだが、その様はこの数年前に公開したポール・ニューマンの「ハスラー」のよう。当時すでにライバル関係にあったのだろうか。結末も同じような感じなのだが、「ハスラー」の方がストイックな印象なのに対し、「シンシナティ・キッド」は娯楽性が強い印象。でもやや散漫かな。

「華麗なる賭け」では冒頭スーツをびしっと着込んで会社社長として登場。このシーンにやや戸惑ってしまった。こんな真人間、似合わない!って。
きっと何かワルイことをしているに違いない、と勘ぐってしまうフリのように感じた(実際そうだった)。

30代でこのニヒルさを醸し出せるなんて、この時代ならではなのだろう。
でも、たまにお澄まししたように口角を二っとあげて笑顔を作るスティーブは少年ぽくてとてもチャーミングなのだ。

キャリアとしてはポール・ニューマンの陰に隠れる印象のあるスティーブだが、やはりスクリーンでは圧倒的な存在感を示してくれ、それを存分に堪能できる2作品であった。


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