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映画せんにんの記録

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映画を観て感じたことを綴った記事をまとめました
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2022年2月の記事一覧

”喰わず嫌い”はやめよう?~「マッドマックス 怒りのデスロード」

”喰わず嫌い”はやめよう?~「マッドマックス 怒りのデスロード」

映画は総合芸術と言われることがある。
ストーリー、映像、音楽、演技、様々な要素が織り成されて一つの作品となるのが映画。観る側としてはただ面白ければいいのだが、その面白さがどの要素から来ているのかを意識しながら鑑賞するのも、深く味わうヒントになるのかもしれない。
今回は2015年公開「マッドマックス 怒りのデスロード」

「マッドマックス」というと1980年代のB級映画のような印象。当時のマンガなど

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映画には向かない題材~「関ヶ原」

映画には向かない題材~「関ヶ原」

当時、面白そうだなー、映画館に行こうかなー、と思っていて行けなかった作品をあとでTVなどで鑑賞することがしばしばある。
ああ、やっぱり観に行けばよかった、なのか、
観に行かなくてよかった、なのか。
その答え合わせをする感じもするのである。
今回の答え合わせはこちら。2017年公開「関ヶ原」

最初に言ってしまうと、「観に行かなくてよかった」である(笑)。

「天と地と」の時もそうだったのだが、歴史

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前作と甲乙つけ難し(ただしベルナルドは…)~「ウエスト・サイド・ストーリー」

前作と甲乙つけ難し(ただしベルナルドは…)~「ウエスト・サイド・ストーリー」

今年度、個人的に一番の注目作品である「ウエスト・サイド・ストーリー」。
すでに様々なコメントがネット上に寄せられているが、早速映画館で鑑賞してきたこともあり、せっかくなので記しておきたい。

鑑賞前には、前作を復習。

この復習は、新作鑑賞にあたっては若干ノイズになったことは否めない。
どうしても前作と比較してしまうからだ。
ただ、あの場面がどう描かれているだろうというドキドキとか、見せ場が近づい

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"Greed is good"~「ウォール街」

"Greed is good"~「ウォール街」

1980年代の映画って、なんとなくB級感を感じてしまうのが自分だけだろうか。でも実際に観てみるとストーリーは骨太だったり、シンプルながらメリハリがついていたりと、とても観やすいのだ。
今回もそんな作品。1987年公開「ウォール街」

オープニングに当時のニューヨークの風景が空撮されているのだが、もちろんワールドトレードセンタービルもばっちり映っている。なんかそれだけで懐かしくなってしまう。

スト

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どっちのポールがいい?~「ハスラー」と「スティング」

どっちのポールがいい?~「ハスラー」と「スティング」

以前観た「ハスラー2」。2作目から見てしまっても十分鑑賞に堪えられたのであるが、その1作目はどんなものだろうと気になっていたところ、先日やっと視聴する機会を得た。1961年公開「ハスラー」

「ハスラー2」と比べて全体的に重苦しい空気が漂う。それは終盤に親しい人間の死という展開を抱えているからだろうか。
それがゆえに、ポール・ニューマン演じるエディもどこか内省的。表に表す言動の後ろ側に見え隠れする

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余計な捻りは無し~「007 ロシアより愛をこめて」

余計な捻りは無し~「007 ロシアより愛をこめて」

最近シリーズ最新作が公開された007。恥ずかしながら、(寅さんに続き)今まできちんと見たことがなかった。
年末にテレビで放映されていたので、好機到来ということで鑑賞してみた。1963年公開「007 危機一発」リバイバル時は「ロシアより愛をこめて」

ジェームズ・ボンドはショーン・コネリー。彼のボンド作品で一番の名作と名高いのがこの作品。「危機一発」は配給会社の宣伝担当であった水野春郎がつけたとのこ

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