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ドロー・ザ・ライン/エアロスミス Draw The Line / Aerosmiths

姉に負けじと買ったアルバムはエアロスミスの「ドロー・ザ・ライン」

「ガー シャー ドンドンドンドン」

ジョー・ペリーのスライドギターがギュンギュン唸るリードトラック。
でも当時はスライドギターなんてわかるはずもなく、なんかギターがグニャグニャした音だなあ、ぐらい。

田舎の中学生でもカッコいい曲なのは一発で分かった。

「キングス・アンド・クイーンズ」の重低音は新しくなったステレオセットにおあつらえ向きの音だった。

我が家最重低音だ。

「おおおおおおおかっこえええええええ」

ハードな音を求めていた俺にピッタリだ。
メロディもいいし、バンドのサウンドもいい。
写真のスティーヴン・タイラーとジョー・ペリーが1本のマイクで一緒に歌うのも痺れる。
何かの雑誌にこの二人は「ミックとキースのようだ」と書いてあって、なるほどそうなのかと思ったが、ミックとキースがローリング・ストーンズの人だということはまだ知らない。

そしてこのレコードは頻繁にターンテーブルに載ることになった。

このころ海の向こうで「カリフォルニア・ジャム」という野外コンサートが開かれ、エアロも出演したと話題になっていた。
テレビで真夜中にこのコンサートの模様を放送して、そのステージのエアロを見たような気がするのだが、この辺は記憶が定かではない。
夢かもしれない。

話は戻って「ドロー・ザ・ライン」のレコードの解説書で大貫憲章氏は「エアロもいいけど今はピストルズがかっこよくて夢中だ」と書いてあった。
だが、田舎のレコード屋でセックス・ピストルズのレコードを買う勇気はまだない。
だってレジでセックスなんて口に出せないよ。
「あそこの息子はエレキギターなんか弾いてるから不良になってしまって、『いかがわしい』レコードを買ったんだって」
なんて近所で言われてしまう。

田舎の情報網を馬鹿にしてはいけない。
 


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