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#5-3 意識的に振り返りをすることで、授業が変容する:【教員インタビュー: 中村宏美先生 #3】

みなさんこんにちは。リフレクションメソッドラボラトリー事務局です。リフレクションメソッドラボラトリー(以下RML)では「MAWARUリフレクション」というプロジェクトを行っています。

MAWARUリフレクションは、「リフレクションによる個人の気づきが周囲に循環し、社会を変える」をテーマに、教育にリフレクションを取り入れる活動を2016年から続けているプロジェクトです。
本記事では、MAWARUリフレクションで新しく始めた「教員インタビュー」の記事をお届けします。教育現場で、先生がどのようなことを考えているのか、とても面白い内容になっていると思いますので、ぜひご一読ください。
第5回の先生は、兵庫県で中学校教諭をされている中村宏美さんのインタビューです!いつものようにPodcastも用意していますので、ラジオ代わりにもぜひ聴いてみてくださいね。

リフレクションをする上での課題について

生井:これまで、中村先生がリフレクションを授業の中で取り入れられて、対話型の国語の授業や、子供たちの様々な変化を手応えと感じられている様子を伺ってきました。また、リフレクションは、やはりちょっとやるのが難しいとか、中村先生からも最初は、すぐやめてしまったなんていうお話もありましたが、やはり実践する上でのいろいろな課題っていうのもあると思います。中村先生としてはリフレクションを実践する、あるいは取り入れる上での何か課題っていうことはお感じでしょうか?

中村:そうですね。多分私の中で、「子供たちの振り返ること」、「行為によって最後に書いたもの」が、最初は感想程度にしか考えなかったのではないかと思うんです。
だから振り返りを意識的に書かせるかどうか(が大切で)、今の授業では授業でわかったこと、疑問がまだ残ってることっていうのを意識的に書かせる。
その振り返りをまた私が意識的に次の授業の展開に、この子たちの個々の意見を拾っていこうっていうのを意識的にしているのがあるから活かせるようになったんやなっていうのは思います。
だから最初は、感想程度にしか考えてなかったですね。でもそれをどう授業に活かしていくかっていう意識を変えることによって、私自身の意識の変容が授業の変容を生んだのかなっていうようには考えています。

生井:リフレクション、「振り返り」っていうのはよくあるというか多くの先生がされることかなと思うんですが、それが感想っていう何かをやって「こう思いました。」とか、こういう感想をもちましたっていうだけだと、
そこからの発展はないんだけれども、それを授業にまた活かすとか、これを授業の中で活かすというようなそういう意識があることで、授業自体も変わってきたし、子供たちの感想もすごく生き生きとしたものになってきたっていう、そういう変化があった。つまり教師の側の意識っていうのがすごく大事なんじゃないかっていうことかなというふうに思いました。そんなことでよかったでしょうか?

中村:はい。そうですね。きっかけとしては多分、私が子供たちを変えたというよりも、子供たちが振り返りをすることで、私自身が子供たちの発言であるとか、書いてることが、何か私自身の想像を超えてくるようなことをどんどん書いてくれるようになってきました。

私が教材研究をして小説教材を読んだときには気付かなかったところに考えを廻らせ、こんなふうに考えてるんだな。私の想像を超え、私の教材研究を超えてくることを子供たちが書いてくるようになりました。やっぱり私自身がというよりも、子供たちが、私の思考、考え方を変えてくれてるっていうのは大いにあるかなと。それがまた、お互いが相互に変容を生んでいるのではないか。それこそ、「P4C」とかなのかなっていう、「学びの共同体」もそうだと思うんですけど。

お互いがお互いを高められる。

中村:両者(子供たちと教師)が、子供たちだけがテキストと自分自身、グループと教室の仲間と対応しているだけでなく、私自身も私と子供たち、私とテクスト、私と私自身とっていう対話をもう授業の中で、教室にいるみんなが対話できている共同体になっているのかな、探究の仲間になってるので変わったのかなって思っています。

生井:それこそ何かそれまでの、教材研究をして授業の流れっていうのを作って子供たちが感想を書くっていうような授業と、共同体としての、一緒に探究をしていくっていうのは何かすごく違う授業の様子だなっていうのを聞きながら思いました。山下さんはいかがでしょうか?

山下:意識的に書かせるということで、わかったこと、疑問というところのその2点を書かせるっていうことだったと思うんですけど、先生の中でその振り返りを見ていて、もう少しここ考えてほしいなとかっていうことが多分出てくると思うんですよね。そのときに、その子に対して個別でどんなアプローチをされるのかとか、どんなフォロー、手立てをされるのかなっていうところを聞いてみたいなと思いました。

個別にというよりも、「これ、どういうことを言っているのかなっていうのがいまいちわからないときも、その子には全体で共有してもらって、喋ってもらう。

何か書けなくても喋ったときには何かちょっと言えたりとか、周りの子が「こういうことちがう?」と言ってくれたりとかっていうのがあるので、私自身がその書いてることを読み取れなかったときも、「ごめん。ちょっとこれなんかすごい、いいこと書いてくれとる気がするんだけど、もう一回言って」のような投げかけで次の時間に使うようにはしてます。

生井:ありがとうございます。振り返りでは、「わかったこと」、「疑問に思ったこと」を書かせるとお話いただきましたが、その二つに絞られるまでには、何か変容があって、その二つに落ち着いたのか。お聞きしたいです。

中村:初任のときは、意識がなかったので、ただの感想しか書かせていないです。リフレクションシートを書かせようって思ったときはもう最初からその授業内で「わかったこと」、「疑問に思ったこと」に絞っていました。

生井:なるほど。ありがとうございます。

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本記事はここまでです。更新は毎週木曜日です。
第4回目もお楽しみに!

【中村先生インタビューの記事】
# 5-1 中村先生インタビュー1
# 5-2 中村先生インタビュー2
# 5-3 中村先生インタビュー3(本記事)
# 5-4 中村先生インタビュー4

インタビュアー 生井・山下
執筆:山下

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