誤字を愛でる⑨ 推敲が誤字を呼ぶ
誤字の話ばっかりしているけれど、私だって誤字が出ないわけじゃない。
私の場合、誤字の主な原因は、三つある。
タイプミス、変換ミス、推敲した時に出るミスだ。
タイプミス
私はタイピングはそれほど遅くないと思うのだけど、ミスが多い。「わたし」と打とうとして、「わつぃ」になる。ホームポジションがしっかりしていないので、一列ずれたところを打ってしまう。隣のキーを押してしまう。打ったつもりで打てていないキーがある。
こんな風にしょっちゅう打ち間違えるので、その度に消して直している。バタバタ打ってはバタバタ直している。我ながらあわてんぼうだ。
漢字の変換ミス
これはできるだけ気をつけているのだけど、時々ぽろっと出てしまう。
大学生の時に「再開」と「再会」を間違えて、そのまま印刷してしまったミスは、今でも忘れられない。先日読んでいたnoteに、同じミスをしている人がいた。わあい、仲間だ〜。
数日前にも、一箇所変換ミスをしたまま投稿してしまい、直後に気づいて直しておいた。
そういえば、誤字って「印刷してから気づく」「投稿してから気づく」ことがよくあるけれど、どうしてなのだろう。
一旦、自分の原稿から離れて、他人の目で見ることができるからなのかなあ。
推敲した時のミス
これが一番多いと思う。
例えば、語尾の表現が気になって、書き終わった文を直す時だ。当然、元の表現を消さなければいけないのだが、文字を消し忘れて、前に書いた文の表現が一部残り、二つの表現が重複してしまうことがある。
また、文を直す時は、一箇所直しただけでは辻褄が合わなくなる場合がある。例えば、
「〜する人がいる。」
という文を、
「人によっては、〜することがある。」
という風に変える場合、最後の「いる」を「ある」に書き換えなければいけないのだが、ここを忘れてしまったりする。
「人によっては、〜することがいる。」
という誤字の誕生だ。
何もない真っ白な紙に、文章を頭から順番に書いている時は、一定の流れで頭を働かせている。文もその流れに沿って、前後関係を考え、辻褄を合わせながら書いている。
推敲は、後からその流れをぶった切って、新しい表現を挿入する行為だ。それまで形作られていた流れを変形し、新しい流れを作る時に、古いものを残してしまったり、おかしな表現になってしまったりするミスが出るのも、頷ける。
推敲した後は、誤字が出やすい。要注意です!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?