職場におけるストレスチェックとは②

前回の記事で、50名以上の事業所においては、年に1回以上のストレスチェックが義務化されている事、しかしながら、日本の労働者の過半数が、50名以下の会社や事業所に所属しており、対象から外れてしまっている事を問題点として解説しました。

しかしながら、まだまだ、問題点があります。

ストレスチェックの目的や結果の見方について、皆さんがレクチャーを受けていない、ということです。

あなたがもし、職場でストレスチェックを受けるていたとして、その意義や目的、情報の取り扱い(担当者しか閲覧できず、人事権を有する人はその担当者になれないと法律で決まっている)、そして結果の見方について、なにがしかのアナウンスやレクチャーを受けられましたか?

もし、そのような事前・事後の説明がない場合、どのようになるか。

会社に自分のストレス具合が知られるのは嫌だな、、、、。
自分の評価に使われたら嫌だな、、、。
正直に回答して、不利益にならないかな、、、。

高ストレス者になったから、医師の面接指導が推奨されているけど、その医師も会社側の人間だろうし、なんだか怖いな、、、。

などといった疑心暗鬼が充満してしまい、意義がまったく失われてしまいます。

ストレスチェックはDCSモデルにのっとって、質問内容が設計されています。自分のストレス状態を知る、ストレスをマネジメントすることに役立てていただく、メンタルヘルス不調の一次予防の取組なのです。もちろん、その趣旨からすると、年に1回では不十分です。

そのことを、どれだけの企業が理解しているのか、という問題もありますが、せっかくなのだから、しっかりと活用してほしいものです。

また、高ストレス者と判定された方の内、医師の面接指導を受ける確率は全国平均で1%程度と報告されています。これは、いかに、ストレスチェック制度が機能していないか、という傍証の1つです。

医師に自分のストレス状態を相談するのが怖い、また、その医師が実はメンタルヘルスの専門家でない可能性が高い、というのも問題ではあるのですが、もしそのような場合、臨床心理士/公認心理師に色々と相談してみるのも、選択肢の1つとして考えてみても良いのではないでしょうか。

企業側からすると、医師に支払うコストと臨床心理士/公認心理師に支払うコストには大きな差があります。また、高ストレス者に適切なアドバイスが出来ない医師に高いコストを支払うよりは、ストレス・マネジメントについて、きちんとトレーニングを受けた臨床心理士/公認心理師にカウンセリングを委ねる方が合理的でしょう。

ストレスチェック制度については、カリキュラム上、臨床心理士よりも公認心理師の方が、制度についての知識および理解が高い可能性があります。したがって、信頼できる公認心理師に「職場のストレスチェックで高ストレス者と判定されてしまったんだけど、今後どうしたら、本格的にしんどくならずに過ごせますかね?」と相談出来れば、良いですよね。

ストレスチェックについては、更に解説記事を追加していきますので、よろしくお願いします。

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