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まだ就活をしているあなたと、かつて就活をしていたあなたへ 1 【マスコミ就活準備編】

そもそも私は大学2年生を2回やって留年をしている。そのため、1年早く社会に出るサークル同期の就活をよく見ていた。それから就活において学歴は少し関係ある因子なのでこれも一応断っておくが、わたしは東大生だった。

バラエティ制作を目指す

わたしは同期が就活をはじめるのに便乗して、テレビ局でバイトを始めた。テレビ局で働きたいと中学生くらいの頃から決めていたから。

志望は、バラエティの制作。
消極的な理由としては、ドラマは周囲の友達ほど見ていなかったし、自分はお芝居系のことに触れるのにはおこがましいと思った。報道をする信念はなかった。
積極的な理由としては、施設に入ってテレビやラジオを楽しみにしている祖母や祖母のような人を喜ばせたかったし、会話をしない自分の家庭にとって食卓のバラエティが救いだったから。

テレビ局に0時に出勤するバイト

アルバイトでは計算どおり、色々なバラエティ番組に行った。何度も行った番組で仲良くなったスタッフさんもいた。深夜から明け方にカンペを作りながらよく「君たちは局員になってね」と言っていた。スタッフさんが首からかけている入社時に撮った入稿証の写真がめっちゃかわいいのに、今はかなりぽっちゃりして髪もボサボサなのは少し怖かった。

夜が明けて本番前の打ち合わせから美しい身なりで入ってくる局員さんは遠い存在で、でもできればあちら側にいきたいと思った。なのに、ちょっとスカしてんなみたいに思うこともあった。

ともに夜を明かし、たまにご飯やお菓子を奢ってくれるスタッフさんに囲まれ居心地の良さを感じながら、でも「わたしは制作会社には入らないから」みたいなちょっと一線を引く気持ちもあった。

いよいよインターン

さて、テレビ局の就活がとても難しいことは有名だ。もちろん、かなり勉強した。対策の本もひと通り読んだし、お金を払ってマスコミ就活系の勉強会みたいなのに行ったりもした。もちろん、SNSでの情報収集も。

そしてマスコミ就活はインターンからはじまる。インターンの優秀者は、追加のインターンがあったり、噂では別レーンの選考があるというのでそわそわする。

わたしはこの頃たしかとても忙しかった。というのも、1学年上の同期がちょうど就活を終えサークルを本気でやりだす時期で、そのやる気にちゃんと付き合いたかったのだ。もちろん、大学の勉強も面白かったし本気でやりたかった。

ということで、一番行きたかったキー局のインターンにしか応募せず、通ったので行った。当日までに準備した企画をもとにしたグループワークだった。テレビ局バイトで仲良くなった子が一緒の時間で、誰をキャスティングする?と聞かれ、ちょうど売れ出したくらいの中村倫也さんを説得力ありげに推していてかっこよかった。自分のグループは動物園みたいだったけれど、めちゃくちゃ楽しくて、ああやっぱりここに行きたいなあと思った。

待てど暮らせど上級者インターンのお誘いは来なかった。まあ、本選考でちゃんと受かればいい話だと思った。


振り返り兼解説

本編から逸れた雑談のような、解説のような、ちょっとした教訓のようなものです笑

  • 学歴については気にし過ぎても、奢り過ぎてもいけない。役に立つとしたらコネとかの方がずっと役に立つと思う。学歴と頭のよさというか賢さというか仕事できる度にはそれなりの相関があるので、結果的に「よい大学」のひとが受かりやすいというのはある。

  • ドラマに対してのコンプレックスというか避け癖には少し理由があって、好き過ぎてハマったら怖い感覚があった。でも今となればすごく好きだったから。こういうなぜか嫌いなものって好きの裏返しだったりする。好きな女子に意地悪しちゃう小学生男子の恋愛かよ。そういうものはやめにたくさん剥がすことをおすすめ。

  • テレビ番組作りには様々な人が関わっているが、スタッフとしては主に局員と制作会社スタッフに分けられる。違いについては察してほしい。

  • そもそもインターンに行かな過ぎた。忙しいのは確かにそうだったが、もったいなかった。会社については調べるよりも体感した方が圧倒的に早いので、長い目で見ればインターンに行く方が時短になる気がする。でもできれば有名な会社でなくていいので長期でバイト代が出るインターンに行くことをおすすめしたい。バイトと社員の仕事の違いというものを知ることができると思う。それから仕事をする大人を観察することで感じられるものがあると思う。キラキラしていたり、目が死んでいたり。



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川本すい
恐れ入谷の鬼子母神です。 けれど、サポートの価値を感じていただけたのならうれしいです。 サポートの分だけ芝居に時間をさきます。