ストレスを溜めないための整心論〜ビジネスパーソンの日々の再起動14
【私はこんな人】
【前回投稿】
はじめに
アスリートと同じく、ビジネスパーソンにも「心技体」のコンディショニングが大事です。特に、心(心理、気分など)の影響は、技(パフォーマンス、スキル)や、体(身体的な健康)にも影響が出ます。
逆に、技や体が上手く調整できれば、心への好影響を出すことが可能です。
このような好循環を生み出す手法について、自分の心理について考えたり、振り返ったりすることを「整心論」と私は名付けています。
サブタイトルは「再起動」としていますが、調子が悪くなってからの手法だけでなく、普段の活動についてもお伝えし、これまで、バラバラになりがちだった「心理」(心)、「ビジネススキル」(技)、「健康管理」(体)の相互関連をベースに、ビジネスパーソンのパフォーマンスの適正化を図るための情報(=整心論)をお伝えしたいと考えています。
勿論、これまでと同様、それらの情報は、私のリワーク体験や復職後の体験に基づいたものとします。
本日は、前回に続いて「認知の偏り」のについて、お伝えします。
「認知の偏り」の例
①べき思考
②オールオアナッシング
③極端な一般化
④結論への飛躍
⑤個人化
⑥過剰な拡大解釈
⑦ラベリング
⑧フィルタリング
⑨ポジティブ要素の否定
⑩自分の感情による根拠づけ
今回は、③の「極端な一般化」について、考えてみたいと思います。
極端な一般化とは?
「極端な一般化」とは、どんな心理状態を指しているのか、その辺りの確認から入りましょう。
皆さんの周り或いは、皆さんご自身が、こんな風に考えたことはないでしょうか?
「仕事でミスをした。私には、センスが全くない」
ある意味で、誰でもある経験でもあるかもしれませんが、これが長引いたり、更に極端になって、
「仕事でミスをする私は、社員失格だ。生きる価値がない」
というレベルにまで行くと、かなりツラいことになります。
この認知の歪みは、
「根拠に具体性がなく、曖昧であるにも関わらず、結論に対しては、かなり極端なことを述べ、更に、頑なに信じ込む」印象があります。しかも、ネガティブな方向で信じ込むと、中々気分が上向きになることはありません。
「極端な一般化」への対応方法
前回の投稿でも述べましたが、「認知の偏り」は、思考のクセ、思考の習慣のようなものなのです。
私は、大きなストレスがかかる場面以外でも、よりストレスがかかりにくい思考法を工夫していました。そのようにすることで、ストレスがかかりにくい思考の習慣を身につけようとしたのです。特にリワーク中は、そうでしたが、今でも注意して生活しています。本格的にやろうと思ったら、認知行動療法で使われるコラム表を使用することや、マインドフルネス瞑想が有効ですが、それは、別の回に譲るとして、本日は、もう少し手軽にできる方法をご案内したいと思います。
ネガティブな思考の根拠を考えてみる
「極端な一般化」により生じるネガティブな結論は、ほぼ「曖昧な根拠」に基づいています。自分が根拠にしたこと、例えば「仕事でミスをした」を根拠として、「自分にセンスがない」とか、「生きる価値がない」という結論は、本当に正当な結論と言えるでしょうか。
大事なことは、自分で自分にツッコミを入れてみるということです。何故なら、私のこの投稿を含めて、他人からのツッコミは、受け付けたくないというのが人情だからです。ストレスをマネジメントするためには、自分で自分にツッコミを入れましょう。ただし、それだとどうツッコミを入れてよいか分かりにくいと思われますので、例を挙げてみます。
①本当に自分だけに原因があったのでしょうか?
②他人には発生しない、あなただけのミスなのでしょうか?
③挽回や改善の道筋が一切ないのでしょうか?
④挽回や改善の道筋について、誰かに相談したでしょうか?
以上のように考えてみては、いかがでしょうか。つまり、「極端な一般化」なのですから、逆に言えば、「例外」や「ツッコミどころ」がどこかにあるはずなのです。
結論も具体的にしてみる
曖昧な前提から出された結論、「社員失格」やら「センスがない」などは、これまた、曖昧なものになっていると思われます。具体化すると、ツッコミ所が見えてきやすくなります。
①「社員失格」「センスがない」とはどんな状況なのでしょうか?
②誰もが同じ結論や評価を出せるような客観的な指標があるのでしょうか?
以上のようなツッコミを自分で入れられることが大事です
繰り返しになりますが、他人にツッコミを入れられても、逆に反発したくなる方が多いはずです。
自分で出した最初の結論を守りたいという気持ちが勝っていると、そうなりがちです。実は、それは普通です。
しかしながら、自分を苦しめる結論を守る理由は、ありません。私は、自分がリワーク中に、そんなことに気づいたのです。
苦しみを乗り越えた先に得られるものも確かにあります。しかし、苦しみが長引くことで失うものが大きいなら、無理に正面から乗り越えようとするのではなく、発想を変えてみる方が得策だと私は考えるようになっていきました。
本日のまとめ
本日は、認知の偏りのうち、「極端な一般化」を紹介し、その対処方法を考えてました。
「自分の考えの前提条件や結論を具体化する」のがコツです。
本日もやや長い文でしたが、お付き合いいただき、ありがとうございました。
皆さまそれぞれにとっての「最高の日」を過ごせるヒントになれば幸甚です。
また次回以降も、よろしくお願いします。
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