ストレスを溜めないための整心論〜ビジネスパーソンの日々の再起動16
【私はこんな人】
【前回投稿】
はじめに
アスリートと同じく、ビジネスパーソンにも「心技体」のコンディショニングが大事です。特に、心(心理、気分など)の影響は、技(パフォーマンス、スキル)や、体(身体的な健康)にも影響が出ます。
逆に、技や体が上手く調整できれば、心への好影響を出すことも可能です。
このような好循環を生み出す手法について、自分の心理について考えたり、振り返ったりすることを「整心論」と私は名付けています。
サブタイトルは「再起動」としていますが、調子が悪くなってからの手法だけでなく、普段の活動についてもお伝えし、これまで、バラバラになりがちだった「心理」(心)、「ビジネススキル」(技)、「健康管理」(体)の相互関連をベースに、ビジネスパーソンのパフォーマンスの適正化を図るための情報(=整心論)を、私のリワーク体験や復職後の体験に基づき、お伝えしたいと考えています。
本日は、前回に続いて「認知の偏り」に関する話で、今回は「個人化」について、お伝えします。
「認知の偏り」の例
①べき思考
②オールオアナッシング
③極端な一般化
④結論への飛躍
⑤個人化
⑥過剰な拡大解釈
⑦ラベリング
⑧フィルタリング
⑨ポジティブ要素の否定
⑩自分の感情による根拠づけ
「個人化」とは
自分に一見関係のないことであっても、自分の責任だと決めつけることを言います。
「職場の雰囲気があまりよくないのは、私がもっと楽しいことを言わなかったからだ」「同僚の実績が落ち込んでいるのは、自分が励まさなかったからだ」といった具合に、本当は自分に責任がなくても、自分のせいにしてしまうような傾向を指します。
一旦、決めつけてしまうと、中々、他の可能性を探るようにはならず、「自分が悪い」と思い込むようになります。
「個人化」への対応方法
「個人化」により生じるネガティブな結論も、ほぼ「曖昧な根拠」に基づいています。これは、以前に投稿した「極端な一般化」と類似しています。
ここでも、大事なことは、自分で自分にツッコミを入れてみるということです。何故なら、私のこの投稿を含めて、他人からのツッコミは、受け付けたくないというのが人情だからです。ストレスをマネジメントするためには、自分で自分にツッコミを入れましょう。ただし、それだとどうツッコミを入れてよいか分かりにくいと思われますので、例を挙げてみます。
①本当にあなたのせいなのでしょうか?
②「あなたの責任です」と言われたのでしょうか?
③仮に、「あなたの責任」ですと言われたとして、その主張には、客観的な根拠があるのでしょうか?
④仮に、客観的な根拠があるとして、それは本当にあなただけの問題で、他の人には一切見当たらないことなのでしょうか?
⑤更に、本当にあなたの責任だったとしても、今後、改善するチャンスさえもないのでしょうか?
以上のように考えてみると、いかがでしょうか。
結論も具体的にしてみる
今度は、「私の責任」という結論を具体的にしてみましょう。
「私の責任」というのは、どのような状態なのか考えてみましょう。
例えば、あなたに責任が生じるのは、どんな場面でしょうか。
・担当職務があり、その遂行や結果に対して
・依頼や指示、契約によって、約束をしている行動に対して
・明確な取り決めはなくても、法律や社会通念に照らして、世間から当然実行するべきとされていることに対して
「職場の雰囲気があまりよくないのは、私がもっと楽しいことを言わなかったからだ」「同僚の実績が落ち込んでいるのは、自分が励まさなかったからだ」などの例に立ち返ってみて、いかがでしょうか?
「職場の雰囲気があまりよくないのは、私がもっと楽しいことを言わなかったからだ」
→そういう担当、取り決めだったのでしょうか?担当を任命した人の責任はどうなるのでしょうか?
「同僚の実績が落ち込んでいるのは、自分が励まさなかったからだ」
→そういう担当、取り決めだったのでしょうか?
実績の落ち込みと励ましには、因果関係があるのでしょうか?
「べき思考」「オールオアナッシング」と同時に持ち合わせていると…
以前、紹介した「べき思考」「オールオアナッシング」と同時に持ち合わせていると、どうなるでしょうか。
「私が責任をとるべき」とか、
「責任があるのは、私なのか●●さんなのか」という思考が同時に渦巻きます。
我々は、社会生活を送る上で、何らかの責任を負いながら生きていますので、一定逃れることができないことでもあります。
ただし、だからといって、あまりにも自分や他人を責任という言葉で縛りつけ、攻撃するのは、ストレスが高まるだけです。
大事なことは、具体的に改善策を考え、実行に移すことです。
完全に問題が片付くことはありませんし、物事の責任が必ずしもどこかに存在するとも限らないのです。
本日のまとめ
本日は、認知の偏りのうち、「個人化」を紹介し、その対処方法を考えてました。「べき思考」「オールオアナッシング」との関連も考えてみました。
今回も「自分の考えの前提条件や結論を具体化する」のがコツです。具体化すれば、自分の出した結論の根拠が曖昧で、「自分に責任があるとは限らない」と言えるようになります。
できれば、タレントのひろゆきさんが口にする「それって、あなたの感想ですよね」と自分に言えるといいですね。これは、あなたが出した結論は、「事実」ではないという意味でもあります。
是非、ひろゆきさんになったつもりで、自分にツッコミを入れてみてください。
本日もやや長い文でしたが、お付き合いいただき、ありがとうございました。
皆さまそれぞれにとっての「最高の日」を過ごせるヒントになれば幸甚です。
また次回以降も、よろしくお願いします。
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