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お金が見えない/エッセイ

 私の父がいわゆる「ポイ活」にハマっていて。千円のもの買ったけどポイントで10%バックだから実質900円なんだ、って自慢された。まぁそれは正しいんだけど、でも1000円払っていることには変わりなくて。100円分返ってきてるけど、でも100円先に払っちゃってるから結局1000円消費してるんだよなあと思う。
 そんなことを考えていると、最近お金が難しくなったなぁと。カードやバーコード、ポイントで払えちゃうのだから、お金ってなんなんだ?とよくわからなくなる。余計なお世話だが今の子どもたちはお金をちゃんと理解してるのだろうかと、心配してしまう自分がいる。スマホを見せれば何でも買えるとか思わせちゃってないかなって。

 私の母は、私が小学生になるまでSuicaを使わなかった。電車乗るにもちゃんとお金が必要なのよ、と教えたかったかららしい。カードをかざせば電車に乗れるのではなく、働いて得たお金を使っているのだと。

 昨日バイトでレジをしていたときのことだ。幼稚園生くらいの子を連れたお母さんが買い物に来た。母親が財布を取り出すと「私がやる!」と子どもが言い出す。「じゃあこのカードそこに差し込んでくれる?」とお母さん。この子は、お金を使っている感覚があるのだろうか。

あぁお金が見えない。お金ってなんなんだ。お金はなにか必要なものを買うものだ。ではどうして必要なものはお金がなければ手にはいらないのだろう。お金がないせいで必要なものを手に入れられない人がいるっていうのに、どうして私たちはお金の存在を許してしまっているのだろうか。

それでもきっとお金は存在し続けるのだろう。

だって自分の持つお金が急に価値をなくしたら困るでしょう?

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