RISS(社会科学総合研究機構)

RISSの研究員のコラムを発信していきます。 --- 一般社団法人社会科学総合研究機構 http://riss.or.jp/

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    最近の記事

    近代的原理を否定する陰謀論 :陰謀論者たちの反近代的エートスについて(清水利尚)

    はじめに  昨今、陰謀論がなにかと話題に登ることが多い。  2020年のアメリカ大統領選挙では、Qアノンと呼ばれる陰謀論に影響をうけた人びとが「不正選挙」を主張し、挙げ句の果てには2021年1月6日にアメリカ連邦議会襲撃事件を引き起こした。  Qアノンの主張は以下のとおりである。「アメリカの政府の奥には一部のエリートから構成されている真の権力ネットワークである「ディープ・ステート」が存在する。そしてそれがアメリカの政界やメディアを支配し、国民をおとしめようとしている。トランプ

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      • 情報社会におけるシステムと承認論 (情報環境[アーキテクチャ]の思想シリーズ③)(稲葉年計)

        ■情報システムにおける普遍性と特殊性 前回のコラムでは,情報環境によって人々が情報システムとどこまで接近・コミュニケートすることができるのか,あるいはまた情報社会の中で共同性をどのようにしていくべきだろうかを問うた.

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        • コンピュータにできないこと ITの限界?(3) :桐一葉墜ちて天下の秋を知る (熨斗隆幸)

           前回までコンピュータにできないことについて触れました。しかし、計算時間とか論理学とか言う前に、そもそも機械には感情がない、感情がないモノと人間を比較してはならない、コンピュータには感情が扱えないでしょうという声を聞きます。 実際コンピュータは恋愛しないでしょ?

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          • 文明の危機と再生  ~西欧文明の推移からコロナ後の世界を考える(根本正一)

            要約: 2020年に世界を席巻した新型コロナウイルスは現代文明そのものの危機となる――そんな論調が増えています。災害は文明崩壊の引き金になるものの、実は文明そのものの奥深くに崩壊の構造的要因が潜んでいるものです。人類の歴史は様々な自然・人為的災害に彩られ、しかしそれをくぐり抜けてもきました。当コラムでは、現代世界を規定している西欧文明が有史以来どのような危機に陥り、その本質がどこにあったのか、そしてそれをどう乗り越えていったかを検証しました。そこから「コロナ後の世界」がみえて

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            情報社会におけるシステムと共同体(生活世界) (情報環境[アーキテクチャ]の思想シリーズ②) (稲葉年計)

            ■情報社会における公私と中間的ネットワーク 前回のWeb Compassでは,物理的世界とのコミュニケーションを促す情報環境を主張した.また一方で,福嶋亮大が展開する公的領域と私的領域の4象限は示唆深い(福嶋 2010: 279-87).公的領域あるいは世界全体,あらゆる存在あらゆる事物を「情報」という一点で取り扱う,いわばGoogle的な視座がまずある.それは「宇宙を物理法則を言語とし,局所的な相互作用を積み重ねながら,膨大な論理演算を実行してきたメカニズムとして捉えられ

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            「ブルシット・ジョブ」と日本社会(その1)

            清水利尚 (博士(学術)、独立研究者、一般社団法人 社会科学総合研究機構 理事) はじめに 『負債論』や『官僚制のユートピア』などの著書で知られるアナーキスト人類学者のデイビッド・グレーバーの『ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の社会理論』が話題を集めている。グレーバーは” We are the 99%(われわれは99パーセントだ)”というスローガンで行なわれた2011年のニューヨークでの” Occupy Wall Street(ウォール街を占拠せよ)”の理論的指導者

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            時間、あるいは「いのち」を刻む物語(外村江里奈)

            外村江里奈 (博士(学術)、東洋大学文学部哲学科非常勤講師、清泉女子大学非常勤講師、一般社団法人社会科学総合研究機構 理事) ----- 「一期一会」、「森羅万象」。この二つの四文字熟語は、私の言葉の宝物である。これらは、「いのち」を映し出す言葉であろう。 しばしば、「何気ない日常の一瞬が貴重だ」といわれる。なぜだろうか。本文では、「一期一会」という言葉をちょっぴり深く味わうことで、この問いの答えに接近したい(「森羅万象」の玩味は乞うご期待!)。そのことが「いのち」を見直

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            コンピュータにできないこと  :ITの限界?(2) Ignoramus et ignorabimus ――われわれは知らないし、 知らないであろう

            熨斗隆幸 (一般社団法人 社会科学総合研究機構 研究員) コンピュータにできないこと ITの限界?(2) Ignoramus et ignorabimus ――われわれは知らないし、知らないであろう 前回計算の限界についてお話ししました。しかし計算機の限界を認めるとしても、そもそもいまのデジタル社会は計算機でできているの?という疑問があるかもしれません。社会のIT化を見ていると何だってできそうじゃない。計算機って計算するモノでしょう?スマホって電卓機能はあるけど、計算機じ

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            戦後補償にみる国民国家の呪縛  民間犠牲者の補償要求からその重みを考える

            根本正一 (ジャーナリスト、一般社団法人社会科学総合研究機構 理事) バックナンバー なぜ人間は社会を騙し、 社会に騙されるのか :政治家の言い逃れ答弁から 見えてくるもの 国家に正義はあるのか? :日韓関係にみる個人と国家の意識のズレ --- 戦後75年、NHKスペシャルの「忘れられた戦後補償」(8月15日放送)という番組を見た。戦後補償と言うとすぐに植民地支配した韓国の従軍慰安婦問題や徴用工問題を思い浮かべるが、ここで問題としたのは空爆などで被害を被った日本人への補償

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            情報環境(アーキテクチャ)による物理とコミュニケーションの融合の時代の考察

            稲葉年計 (東京都立大学大学院 客員研究員、四日市大学 非常勤講師、  一般社団法人社会科学総合研究機構 研究員) バックナンバー: 「アイディアの政治」の時代と 小池百合子都知事 ジャン・ボードリヤールの 「象徴交換」と情報社会論 ---- ■「ゼロ年代」の「アーキテクチャ(情報環境)」論 2000年代(「ゼロ年代」)のキーワードであった「アーキテクチャ(情報環境)」について今日においてどのように跡付けられるだろうか.これを整理し問う.本コラムは,「ゼロ年代」の「アー

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            人間を選別する思想について :普遍的人権概念のダークサイド(清水利尚)

            清水利尚 (博士(学術)、独立研究者、一般社団法人 社会科学総合研究機構 理事) はじめに 現下のコロナ禍において、「人間を選別する」ということについて考えさせられる出来事があった。京都市のALS患者の女性からSNSで依頼を受けた2人の医師が薬物を投与して殺害した事件である。 容疑者のうちの1人の医師はSNSの匿名アカウントで「高齢者はみるからにゾンビ」「ドクターキリコになりたい」などと高齢者の殺害を肯定する「命の選別」を主張していた。もうひとりの医師は元厚労省の技官で、先

            世界と自己を豊かにする パースペクティブの可能性 (外村江里奈)

            外村江里奈 (東洋大学文学部哲学科非常勤講師、清泉女子大学非常勤講師、  一般社団法人 社会科学総合研究機構 理事) 「ああ、分かり合えた!」という感覚になるのは、どのようなときだろうか。たとえば、他者との共通項を発見したとき、他者とともに新たな視点に到達できたとき、他者との違いに触れたとき、こういったときだろうか。あるいは「けして分かり合えない」ということが明確になったときだろうか。

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            コンピュータにできないこと : ITの限界? (熨斗隆幸)

            熨斗隆幸 (一般社団法人 社会科学総合研究機構 研究員) コンピュータにできないこと ーーITの限界? 熨斗隆幸 スーパーコンピュータ「富岳」TOP500、HPCG、HPL-AI、Graph500において世界第1位を獲得 (理化学研究所HPより) 理化学研究所(理研)が開発主体として開発・整備を進めているスーパーコンピュータ「富岳」は、世界のスーパーコンピュータに関するランキングの、①「TOP500」、②「HPCG(High Performance Conjugate

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            国家に正義はあるのか? :日韓関係にみる個人と国家の意識のズレ(根本正一)

            根本正一 (ジャーナリスト、一般社団法人社会科学総合研究機構 理事) バックナンバー なぜ人間は社会を騙し、社会に騙されるのか :政治家の言い逃れ答弁から見えてくるもの ----- またぞろ日韓関係が怪しい。韓国政府は長崎市の端島炭坑(通称軍艦島)など世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の登録取り消しを求めており、冬季五輪の開かれた韓国・平昌の民間植物園には安倍晋三首相が従軍慰安婦を模した少女の前で跪いて謝罪している像が設置され、日本政府は反発を強めている。一方で、サ

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            ジャン・ボードリヤールの 「象徴交換」と情報社会論(稲葉年計)

            稲葉年計 (東京都立大学大学院 客員研究員、四日市大学 非常勤講師、  一般社団法人社会科学総合研究機構 研究員) バックナンバー: 「アイディアの政治」の時代と小池百合子都知事 ----- ■ジャン・ボードリヤールのポストモダン情報社会論 ジャン・ボードリヤールは,主に1980年代は,記号論的ポストモダンを展開していたが,1990年『透きとおった悪』より,記号論というよりはポストモダン情報社会論というべき理論へと移行していく(水原 2014).

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            SDGsは未来の社会への 道標となりうるか? (清水利尚)

            清水利尚 (一般社団法人社会科学総合研究機構 理事) ----- はじめに 2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs: Millennium Development Goals)の後継として、2015年9月に国連で開かれたサミットのなかで世界のリーダーによって採択された国際社会共通の目標、すなわち「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: 以下SDGs)」。 それは「貧困に終止符を打ち、地球を保護し、すべての人が平和と豊か

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