こんな宿を始めますの話
場所は小田原本町
小田原に移住して早2年。
色んな方々の力のおかげで、
宿を始められることになった。
場所は小田原市本町。
青物町商店街という
かつては商店街の中の文房具屋さんであった場所。
『文房具・事務用品さとう 』という文字は
始めに内見に行った時から、これは残してください。と
お願いした。
この場所に文房具屋さんがあったこと。
さとうさんの思いが沢山込められて、当時賑わっていた状況も
この看板は見ていたと思う。
これは余談だが、
最近再開発という言葉をよく耳にする。
町並みが新しく、清潔になっていく様はいいなと思う半分、
あれ、ここなんの店だった?と思ってしまった時、
私は悲しくなる。
思い出すこともできない時には、罪悪感でいっぱいになる。
そんな場所に、この『文房具屋さとう』さんはしたくない。
そんな気持ちを込めて、看板を残してもらうことにした。
ありがたいことに、
看板の両端が白く無地なので、それに『旅籠(はたご)』といれさせていただくことにする。
※旅籠とは、宿や旅館のこと
作家応援の宿
小田原駅から徒歩15分。
小田原城へは徒歩7分。
御幸の浜(海)へは徒歩4分。
周辺はとても静かな場所で、
著名人も多く訪れたとされる老舗のお店も多い。
こんな素敵な場所に相応しい、宿のテーマを決めた。
ネオレトロな作家応援の宿
小田原は昔から、
映画監督や文豪、作家が多く訪れた町であった。
さらには江戸時代には旅籠屋が100件近くあったとされる、
宿駅と呼ばれていた。
このことから
小田原には観光というより、
執筆活動に励むことや
作品のヒントやきっかけになる、創作意欲を沸かせるために
訪れた人々も多かったのではないかと思う。
そこで、この宿は、(ジャンル問わず)作家さんを応援する宿にしてみてはどうか。
私自身も、ドラマ・小説・映画は好きなほう。
もし私の大好きな岡田惠和(脚本家)さんや芸人又吉さんが
この宿に来てくれて、何か創作意欲を沸かしてくださったら、
どんなに嬉しいか。
そんでもって、その方がお泊りになった部屋に自分も泊まれるとなったら。
聖地巡礼以上の高まりが…!
各部屋の裏テーマ
各部屋には裏テーマを用意してある。
ただ裏テーマなので、そのテーマ通りに泊まってもわらなくても全然良い。
例えば
コミュニティスペースであれば、地域の人も集える『みんなの休憩所 』。
2つあるうちの1つの客室は 執筆活動に励むことを意識した『Neo 書斎』。
Neoとは、「昔のものが新しくなった」「次世代」「リニューアル」という意味を持つ言葉。新しいものが始まるきっかけになるようにこのテーマ掲げた。
シャワールームにも裏テーマがある。
本当は檜風呂を用意しようとしていた。
でも
一棟貸ではないこの宿で、
二つの浴室を用意することは、金銭面的にも、物理的にも難しい。
ということで、特別なシャワールームにすることにした。
名付けて『ロマンチックシャワー」。
このロマンチックについては、是非泊まりに来たときにでも、感じ取っていただきたい。
そして、こんな裏テーマに沿って、
私は今自作の短編小説を書いている。
この宿に泊まったと想定して、架空の宿泊客3人の話だ。
どうしてこの宿なのか、
この宿で何に出会って、何を感じるのか。
それぞれが、それぞれの想いや何かのきっかけを感じられるような旅になったら良いなと思って、書いている。
次回:自作小説「シュガーホステル」公開
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