「アフターデジタル」感想
「デジタルトランスフォーメーション」という現所属部門名がテーマとなっている本なので、即効予約して届いたので読みました。
デジトラの中でも、「OMO」という概念を軸に書かれており、すなわちオンラインとオフラインの境目が無くなる時代、店舗もあくまでPCやスマートフォンと同じく顧客に接触するための「デバイス」の一種であり、そもそもリアルな世界含め常時オンラインになることを前提に描かれています。
ボリュームも適量で、Web記事読んでるぐらいの感覚で読み切れるので、忙しい人でも隙間時間にパッと読めるかと思います。
主には中国の事例が紹介されていますが、正直、中国の最新事情って、現地に行かない限り実態が分かりづらいとは思っていて、僕も中国は空港を乗り継ぎしたことすら無いので、アリババ・平安保険・フーマーなどの事例が具体的に記載されていただけでも、すごく勉強になりました。(既にこの辺、知ってる方でしたら、今更感があるかもです。)
並行して、国内だったらどういう風に事業展開できるだろう、という妄想が掻き立てられるので、脳内で寄り道しがちになり、気付いたらぼーっと10ページぐらいめくってて内容全く入ってなかったり、とか。
本書にあるような、中国やエストニア、スウェーデンなどの先端技術は一方で、多くの日本人にとってはスムーズに受け入れがたいものが多いですが、別に日本人だからというわけではなく、最初はどの国でもハードルはあるはずで、導入の仕方だと思っています。
特にコアとなる、個人データの取り扱いについては、利用用途の透明性の担保を第一に、顧客のロイヤリティを向上するための還元、もしくは社会そのものに意義のある活用を行うべきであり、決して企業よがりになってはならないという点は、当たり前なのですがたまに忘れがちになるので常に意識を保っておく必要があると思いました。
OMO系のスタートアップって、日本じゃまだまだ少ない印象で(toCもtoBもWebサービス完結系の事業が多い)、というのもこの規模の投資って大手ほどの体力が無いと中々できないのかもで、そういう意味では大手が巻き返す切り口にもなり得ますし、いずれにせよこういった企業が増えてくると、社会的にも変革していってる感がでるかもですね。
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