p.19 【GI】移民と難民と国内避難民
今日は
・移民と難民
・難民と国内避難民
・日本と移民・難民
の主に3つのことについて書きたいと思います。
まずは移民と難民について。
移民と難民ってなんとなく似ている言葉だし、区別がついていない方も多いのではないでしょうか?私も国際関係学を学ぶまで、区別がついていませんでした笑
移民…ある場所から別の場所へ、生活や仕事のために、一時的または永久的に移動する人のこと。
難民…戦争、紛争、飢饉、人種差別、宗教弾圧、政治弾圧、極度の貧困など、さまざまな事情で母国を離れなければならなくなった人のこと。
つまり、紛争や迫害など、自発的でない理由で移動を強いられる人々を、難民と呼びます。
次に難民と国内避難民について。
まず、難民と国内避難民の違いを説明すると、難民とは国境を越えて移動した人、国内避難民とは国境を越えず居住地と同じ国の中で移動した人のことです。国内避難民は難民と同じような理由から移動をしているが国境を越えてはおらず、難民同然の生活を強いられている人々のことを指すということです。
世界では8,240万の人たちが紛争や迫害によって故郷を追われており、その内訳は、難民が2,070万人(パレスチナ難民を含まない)、国内避難民が4,800万人、庇護希望者が410万人となっています。(2020年末時点で、amnesty international参照)
難民の出身国ランキング(2020年末)
1位シリア(670万人)
2位ベネズエラ(400万人)
3位アフガニスタン(260万人)
4位南スーダン(220万人)
5位ミャンマー(110万人)
この5カ国で全体の68%を占めており、難民の42%は18歳未満の子どもです。
現在、アフガニスタンの情勢がかなり不安定になっているので、アフガニスタンではこの数字よりもっと多くの難民が出ていると想像できます。
難民の受け入れ国ランキング(2020年末)
1位トルコ(370万人)←5年連続1位!
2位コロンビア(170万人)
3位パキスタン(140万人)
4位ウガンダ(140万人)
5位ドイツ(120万人)
難民の73%が近隣国に逃れており、難民の受け入れ国の86%が開発途上国です。
私としてはとても意外なランキングとなりました。EU加盟国は多くの難民を受け入れていると思っていたので、トップ5はEU加盟国が独占しているかと思っていました。
また、EUは加盟国内で移民難民受け入れ数の差が大きく、EUからの支援金も不十分で…などと移民難民問題はEUが抱える大きな問題ですよね。(Brexitの1つの理由として移民難民問題も挙げられていますよね。)
最後に、日本と移民・難民問題について。
日本は1970年代後半のインドシナ難民の大量流出を受け、1981年に難民条約に加入、たくさんのインドシナ難民を受け入れました。
難民条約に加盟している日本は、もちろん難民の受け入れを求められますが、難民申請の厳格化を行なっているので、日本の難民認定率はかなり低いです。
では、日本は移民・難民をもっと受け入れるべきなのか?(ここからは個人的見解をたっぷり含んでおりますので、一個人の意見としてお読み下さい)
私の答えはNO!
なぜなら、今の日本は、移民難民の生涯の生活の面倒を見る余力も財力も十分ではないから。
移民難民を受け入れても、彼らを待ち受けているのは言語の壁や価値観の壁などたくさんの困難です。
この困難を乗り越えるには、言語習得のサポートなどが必要ですよね。言語がわからなかったら、職につくこともできない、職がなければ家も借りれない、友達もできない、ゴミの出し方もわからない、生活ができませんよね。
もし彼らが言語や価値観、肌の色などでいじめられたら?その一つ一つのいじめに対処できるのか?
移民難民としての生活ももちろん苦しく大変なものだと思いますが、日本に移民難民として来ても、彼らが十分な生活を送れるかと言われると、なかなか厳しいのではないでしょうか。日本に来ても精神的に苦しい日々が続くと思います。
つまり、私が言いたいのは、しっかりと移民難民を受け入れた後の体制が整っていないならば、彼らを受け入れても、彼らは幸せになれない。私たちは彼らの最期まで責任を持って支援をすることができないならば、彼らを受けいれるべきでないということ。
書いているうちに、だいぶ長くなってしまいましたが、私の頭の中はここに言語化することでだいぶスッキリした気がします。
アフガニスタンのことがたくさん日本で報道されていましたが、それは、アフガニスタン国内の様子ばかり(アメリカ軍が撤退した、飛行機に乗ろうと空港に人が殺到しているなど)で、「アフガニスタンで難民がたくさん発生した、日本はどうするべきか?」というような問題提起が行われ、日本に住む私たちの移民難民に関する問題意識が高まるような報道がされたらいいなと思いました。
私たち、地球市民1人1人の一人称が"I"ではなく、"We"として考えられるようになったら、移民難民などのグローバルイシューは解決の方向に、大きく一歩踏み出すことができるのではないかと思います。
今日はここまでにします。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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