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読書|わたしの良い子

甥っ子を大切に育てる椿ちゃん。自分はママじゃないんだと自覚しながらも、小学一年生の朔くんと辛抱強く向き合います。

甥っ子を何年も育て続けるなんて大変だな〜、いつママが帰ってくるんだろう、なんて野暮な疑問を持ってしまいました。

きっと、椿が何度も何度も言われてきたセリフを私までもが考えてしまい、愚か者め!と自分を怒ります。

朔と椿の会話の中で、すごく好きなシーンがありました。それは、サンタクロースはいないんだと朔が気づいたとき、

サンタクロースっていうのは人名じゃなくて、大好きな人にプレゼントをあげることとか、そうしたい気持ちのことを言うんだよ。
…だから、プレゼントをあげて誰かを喜ばせたい、って思う人は、みんなサンタクロースなんだよ。だからわたしもサンタクロースなの。朔と一緒に暮らすようになって、だから、サンタクロースになれたの。

P136-137

まだいぬ自分の子どもに、サンタクロースの存在について問われたら、こう答えたいなと思ってしまいました。

朔は他の子に比べると動作もゆっくりしていて、ぼーっとする時間も多く、大人から見ると心配になってしまいます。でも、朔にだって、料理に興味を持っていたりじっと我慢していたり、いろんな感情を味わいながら生きているのです。

いつか、朔がひとりでも生きていけるように。椿は願いを込めて今日もまた朔に接します。自分のペースで少しずつ朔が成長している姿を想像すると、わたしまで感動してしまいました。

こうやって子どもは大きくなって、ひとりで歩けるようになるんだな、歩き方は、ママじゃなくても教えてあげられることかもなと感じた一冊でした。


前回の読書記録です。


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