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読書|死にがいを求めて生きているの


読書の時間は、その世界に没頭できるから大好きです。

自分じゃ考えもつかないストーリーに、身近にいないようでいるような人々が住んでいて、その生活の一部を覗き見てる気分になります。



「死にがいを求めて生きているの」

本書のあれこれイラスト



中学の頃、私は吹奏楽部に所属していました。3年生で部長だった私は、ホール練習や外の本番のたびに行われる楽器の運搬をとても頑張っていたんですね。

運搬が早い学校は、音楽も上手い!

なんて顧問の先生に煽てられていた覚えがあります。吹奏楽部あるあるなのかな?

素直な1年生は若い身体を懸命に動かしながら楽器を運び、2年生になると段々サボれるようになってくる。3年生は最高学年だから、と見本になる子とサボり方が上手くなりすぎて部長にお尻を叩かれる。そんな青春を過ごしていた気がします。

打楽器を一生懸命に運ぶこと、音楽室へ戻るために階段を駆け上ること、今の体力では考えられないくらいに頑張っていました。人一倍動いていたのです。

そんなある日、4月に赴任したばかりの顧問の先生に言われました。

「部長は自ら追い込んで楽器運搬をしているね〜」

階段を駆け上がる途中で、ふと声をかけられた時の先生の顔は忘れません。中3の私の心にズシンとくるものがありました。

要は、楽器運搬を頑張ることで部長としての役目を懸命に果たそうとしている、そういうことだったのかなと思います。今思い出しても、必要以上に運搬に力を入れていた気が…。

そうやって、没頭や努力を使って自分の存在意義を保つ。昔の出来事をバーっと思い出した一冊でした。


500ページ近くあったので、じっくりじっくり毎晩読んで、色々考えちゃって、そんな楽しい読書時間でした。

わたしは今、何を果たそうとして、夢中になって、雑音を消そうとしているのだろうか。

考えさせられますね。


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